下の子くんはチョロい

 わたしは愚痴を言うとそれが解消されるという特殊スキルをもっているので早速時間ができましたエッセイ書ーこうっと!!




 まぁ上の子が一筋縄でもふた筋縄でもいかないやつなので、アレの後なんてどんな子でも楽に感じるのかもしれませんが、それにしたって彼はチョロい。

 まぁチョロいばっかりではありませんが、上の子にはそこらに売ってる育児書がなんの役にも立たなかったのに比べれば、彼は書いてある通りに育ってくれるので本っ当に楽です。

 まずは上の子と比べながら見てみましょう。

 あ、上の子のはなしはこのエッセイのどこぞに書いてるのでそちらをどうぞ!


 彼らはいろいろと正反対です。

 上の子が若干未熟児気味で、ミルクも飲まずに生きる気あるのかイマイチ分かんない状態だったのに比べて、下の子くんは産まれた時点で3キロ超えのちょっとした巨体でした。

 体重自体はまぁ普通なんだけど、なんだか骨格がガッチリしてるのでとにかくでかかったです。

 そらぁこんなもん腹んなか入ってたら重いに決まっておる。

 っていうのが第一印象。

 まあ帝王切開なのでサイズはあんま関係ないんだけどね。

 そして、なんとまぁよく栄養を摂る摂る。

 ミルクも飲みぃの母乳も飲みぃの、離乳食でもなんでも取り敢えず口開けてなーんでも摂取する。

 骨格ガッチリのおかげもあって、ほんと……巨体……重い……。

 上の子がひょろひょろした縦長のもやしみたいなんだとしたら、下の子は水まんじゅうみたいです。

 ぷるぷる、ぷくぷく、つやつや。

 非常に美味しそうに育っております。

 赤子を連れているとよく見知らぬオバちゃんたちに絡まれるのですが、月齢、年齢相当に見られたことは未だかつて一度もありません。


 上の子がいつもキーキー怒っているのに比べて下の子はだいたいいつもにこにこしてくれています。

 上の子が変顔して笑わせてくれたりしていたからでしょうか、よく笑います。

 甘え上手なんでしょうね、羨ましいかぎりです。

 体力があるので3才上のお兄ちゃんに全力で殴りかかって泣かせ、わたしに怒られて号泣していても、説教が終わるとピタッと泣き止んでにこお! っとしているので、おまえほんまに反省しとんか! ってなるのが一連の流れです。


 公衆の面前で「おかあさんのおなかふわふわ〜♡」と大声で言ってのけ、自分に都合の悪い場面になると「おかあさんだいすき! だからそんな顔しないで〜?」と秘技、おめめきゅるん!! を発動します。

 この秘技、おめめきゅるん!! は、お父さんには効果絶大ですが母にはもう効かないので、

「やかましいんじゃ早うぱんつ穿かんかい」

とあしらわれます。

 そうするとあからさまに「ちぃっ!」と舌打ちしたりするので、子どもとはなかなか役者です。


 ところでなぜわたしが「早うぱんつを穿け」と言うのかといえば。

 別に風呂上がりとかそういうわけではなく、彼にはちょっとした面倒くさい趣味がありまして、それがあのー……、尻をね、撫でてもらうのが好きなんですよ。

 そう、尻。

 わたしが撫ですぎたのも一因なんでしょう。

 最近は自ら尻をぷりんっ! と出して、「はい!(どうぞ!)」と生尻を撫でることを要求してきます。

 いや確かにぷりぷりで気持ちのいい尻ではあるんだけどね、自分から出されるとなんか複雑なんだよなぁ。


 彼には一応それなりに頑固な一面もありまして、幼稚園の先生には特に、いつも本当に本当にお世話になっています。

 自由奔放すぎて入園当初から誰よりも手のかかる子だったので、あのさ、スモックってあるじゃない、あの水色のてるてる坊主みたいになる幼稚園児がよく着てるやつ。

 あれを先生と向き合って座ってね、そのスモックを自分で脱ぐのか脱がないのか、畳むのか畳まないのかで盛大に揉めておりました、登園初日から。

 上の子の在園中から彼の自由奔放加減は知ってもらってるので、先生も容赦ないんだけどね。

 ついこないだの、春休みの前にも先生に言われたんですよ、

「お母さん、下の子くんねぇ、ちょっと凄いんですよ、やれば本当になんでもできるんです。手先がすごく器用だし集中力もあるから、ちょっと教えたらハサミで細かい細工も切れるし、これはできる子にしか教えないんですけど、下の子くん刺繍もできるんですよ。針と糸で。凄いでしょ! ……でもねぇ、下の子くん……本っ当にやらないんだよね。笑 やる気がない、やる気が」

 やればなんでも上手くできるらしいが一切やりたがらないらしく。

 手間ばっかりかけて本当ごめんね先生。

 スポーツクラブの先生にもいつも怒られてるわ、言うこと聞かないから。


 それでもやっぱ楽っちゃ楽です。

 彼は上の子みたいに走行中の車に突っ込んでいくこともないし、走行中の自転車から自力で飛び降りて逆走することもないし、迷子の回数も少ない。

 キーキー泣き喚いててもぎゅっと抱っこして諭せば早めに落ち着くし、「おかあさんだいっきらい!」って怒った10分後にはすっかり忘れて「おかあさんだいすきぃ!!」って言ってます。

 わがまま言ってても簡単に丸め込まれてくれるので手間が少ない。

 体調崩すことも少ないしね。

 ありがたいわぁ。

 近頃は偏食で納豆しか食べないんだけど、なぜかとても元気です。

 だがしかし本当に……重い……。

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