なっちゃんの楽しい子育て記録
「母さんそれ捨てちゃだめ! それぼくが作った釣り竿なの!」
「えっ、これゴミじゃないの!?」
「おかあちゃんそれすてたらだめぇ! ぼくのがぶがぶくんなのー!!」
「えっ! これ……ゴミじゃないの!!?」
こちらが我が家の日常会話ですね。
制作物とゴミの区別がつきませんなっちゃんですこんにちは。
手っ取り早く異世界に行きたいなら子どもを育ててみるといいよ、まじでエイリアンとかUMAに遭遇したみたいな感覚に陥ることができるよ!
スライムなんて本当にそこらへんに転がってるよ! 知らずに踏んだら思わず叫ぶこと間違いなし!
わたしはまず「なんてこった宇宙人生んでしもうた……」って思ったあとに「ヒト型野生のサルに進化したか……?」ってなって、今のところ「いつになったら人間になるんだよぉ!!」ってなってます。
わたしは現在ふたりほど育ててるんですが、今日は現在小学生の上の子のはなしでもしてみっかな、と思います。
まず、やつが一筋縄でいかないのは、どうにも直らない逆子だった時点で気づくべきでした。
妊娠中から極度の貧血になったり毎週お灸に通ったりして大変だったんですけど、めでたく出産! おめでとう! 行ってらっしゃい保育器! ってなりまして、いやまぁちょっとだけちっこいサイズだったもんですからね、5日くらいかな? 彼は保育器に入っていたんですよ。
そんで、最初の2日ほどは看護師さんがミルクを与えてくれてたんだけど、
「3ミリ飲んで3ミリ吐きました」
翌日には
「5ミリ飲んで5ミリ吐きました」
って言われて、「生きる気ないんかなこの子」って思ったよね。笑
スパルタな病院だったためそこからもう本当に、夜中でも関係なく3時間置きに叩き起こされてね、退院したあと困らないようにあれこれ叩き込まれましたよ。
おかげで家でひとりでも全然やれたんだけど、まあひとりで授乳させることの大変さったらなかったよね。
赤子も下手くそだしわたしも下手くそだから、10分飲んでほしいだけなのに2時間かかってたもんね。
泣いたわ、わたしが。笑
夜中に彼が大泣きして、ずーっと抱っこして3時間くらい家の中を徘徊したらいきなり大量のうんこして、そのあと気持ち良さそうに爆睡してたりね。
ずーっとつかまり立ちしてていつになったらよちよち歩くのかなーって楽しみにしてたら、1才の誕生日の前日にいきなり当たり前みたいにすたすた歩いてて、「どしたん」みたいな顔をされるから、「いやいやきみがどしたん、なんで普通に歩いてんの!?」ってなったり、言葉が出るのも遅かったので心配してたら、いきなり喋った言葉が
「しかたがないなぁ」
ですよ。
っえええええうえ……
きみさぁ……もうちょっと可愛げのあることなんか言えないわけ? ってなったよね。
3日3晩熱出してて、その間ずーっとひたすら抱っこしてて暇だったからせっせとえろシーン書くのに精を出したり、成長すると昼寝が下手くそになったから、昼下がりは毎日ずーっと歌うたいながら抱っこして家の中を徘徊したりしてましたね。
どこからともなく開封済みの素麺を出してきてリビングを素麺まみれにして、ぶちまけた素麺の上に座り込んで床の素麺拾ってぽりぽりぽりぽり食ってたり、家の中のリモコンというリモコンとわたしの携帯電話を全部一緒に隠してしまって、しかもどこに隠したか忘れたとか言うから、電気はつかないわエアコンはつかないわ、テレビは不便だわ、もう本当……探すの大変だった……。
レコーダーのB-CASカード引っこ抜いて代わりにおもちゃのコイン突っ込んでくれたもんだからレコーダーは使えなくなっちゃったしね。
いや数カ月がんばって意地で取ったけどさ、コイン……。
保育園に預けて働きに出たら、保育園行くたびに熱出すんだよ。
出社して3時間も経たないうちに周りに謝りまくって早退して迎えに行ったらさ、熱下がってんの。
でも連れて帰らなきゃいけないからさ、自転車の後ろに乗せてギコギコ帰るじゃない?
公園の傍を通ったら公園で遊びたいって言って自転車をぐらぐら揺らすから、やめて危ない公園だめ! って言うじゃない。
そしたらよ、自分で子乗せ部分のベルトを外しちゃって、ギコギコ走行中の自転車から勢いよくダイブ!! えっ、と思って振り向いたらさっき通り過ぎた公園に向かって全力ダッシュかましてる我が子がわりと遠くに!!
ばかあああああああ!!!!
もうねぇ、肝が冷えるよね。
走ってる車に突っ込んで行こうとしたりね、人んちのボルボのエンブレムに草突っ込もうとしたりね、だめ! って言ったら「わかった!」って言いながら石投げたりね、ほんとにもう……きみは一体なにを分かったっていうんや。
なんだかんだしつつ小学生になってやれやれと思ってたら、こないだ泣きながら帰ってきて「嫌がらせされてる」とか言うじゃない。
旦那がすぐ学校に相談に行ってくれて、翌日先生に聞き取りをしてもらったらば、なんとまさかのうちの子が先に挑発行為をしていたことが判明。
ばっ かあああああ!!!!
あやうくなんも悪くない子を悪者にしちゃうところだったじゃないの!!
あぶねぇぇぇ……。
「そういえばそんなこと言ったかも」じゃねぇよ。
忘れたらなんでもアリだと思うなよこのばかたれが!!
もうひたすら説教ですよ。
なまはげが阿修羅の仮面ぶら下げて全力疾走で襲いかかってくるさまをご想像ください。
もうわたしは疲れた……。
いやあ本当、一体いつになったらわたしはこのハードモードなダンジョンを攻略できるんでしょうか。
制服着てるうちは阿呆なままなんだろうなぁ。
ちなみに宿題を始めたら鉛筆だけ握りしめて宇宙の彼方へ異世界トリップしてますからね、毎日。
取り敢えずこの床に投げ捨ててあるゴミにしか見えない制作物らしきものをなんとかしてほしい。
捨てちゃうぞ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます