衝撃の変遷

 プリクラ世代だったのでね、思い出の持ち物のなかにあるんですよね、古いプリクラ。

 いつもは表には出さない、クローゼットの奥のほうに眠っているんだけどね、引っ越しとかするとさ、荷物をあっちもこっちも広げるじゃない。

 忘れた頃に「あら懐かしい!」ってなって、開いてみるんです、プリクラ帳。

 自分が撮るよりも友達にもらうほうが多かったので、開くたび開くたび、懐かしい顔が並びます。

 「あらー、これは高校のときだなあ」「こっちは大学だなー、みんな元気かなあー」とか眺めていると、ところどころで、「あれこれ誰だっけ」みたいなのがさ、あるんだよね。

 「髪の毛、暗めとはいえ赤とピンクってすごいな」「めっちゃ化粧濃い」「誰だっけ、わたしこんなイカツい友達いたかなー」「いやー、絶対近づかんわ喧嘩売られそうやん」とか思って、んんん~? と目を近づけてよく見ると


わたし だった……。


 自分かい!!

 一番分からんかったわ!!


 お利口さんじゃなかったからさー、高校のときも、なんなら中学のときも奇抜な姿だったんだねぇ。

 浮いてるわあ、みんなよくこんなやつと友達なったなー……と明後日の方向に感心したりします。

 高校時代から結構なアウトローだったので、文化祭とか体育祭とかなーんも手伝いとかした覚えないし、当日は当日で可能な限り空き教室で隠れて漫画読んでたし、大学に至っては当日学校休みだと思ってた。

 4年通って4年とも行ってない。

 バイトか、男の子と遊んでたかなあ。

 懐かしや。


 それが今はどうよ、ちゃんとママ友付き合いができて、髪の毛だって染めたところでちゃんと常識の範囲内だし、イベントだってちゃーんと参加してるし、奇抜な服だって着てないよ!

 ちゃーんと小綺麗な格好してるもんね!

 いやあー、人って変わるもんだねぇ、自分の姿を見てしみじみ思うわ。

 学生時代の友達が今のわたしを見たら目ん玉飛び出るだろうし、今のママ友が昔のわたしを見たらドン引きだろうなー。

 ……面白そうだな。やってみっかな。笑


 本当は未だに奇抜な格好好きだけどね。

 髪の毛は青とか碧にしてみたいし、一度でいいからつるっぱげもやってみたい。

 綺麗な宝石で胸元を着飾るよりもスタッズがじゃらじゃらついたブーツを汚しながら闊歩するほうが性に合ってる。

 やらないけどね、人の目があるしね。

 ほーら! わたしも大人になったわー! 人の目なんて気にできるようになったもん!笑

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