【幕間】ミリア・デルティア × ナツミ・イワナミ
煌々と光る満月が闇夜を照らしており、門の前に立つ少女を青白く映し出している。
ミリア:「……」正門前でナツミを待ちます。夜の時間に外に出るのはかなり珍しいことなので、なんとなく落ち着かない。「(学長がステラナイツのことをご存知って言うのは、本当だったのね)」
ナツミ:「やあやあ、今日は絶好のお出かけ日和じゃないか」ナツミはいつもと同じような調子で街灯の下を歩いてくる。
ミリア:「ナツミ!」と声をかけて駆け寄ります。
ナツミ:「お待たせしたみたいだね。準備はいいかい?」
ミリア:「ええ、ばっちり……だと思う」初めてなのであまり勝手がわからない。「なんか全然実感湧かないなあ。私次第で世界が滅ぶかもしれないって」
ナツミ:「そうだね。僕も同じ気持ちだよ。まあ、できることをやるだけじゃないかな」
ミリア:「そりゃ、もちろんがんばるけどさ……」でも選ばれたってことは、なんとかできるのかもしれないな、と思い直して顔を上げる。今までも流されて生きてきたし、ステラバトルも何となく受けてしまったけれど、自分で未来を選ぶ一歩としては悪くないなと思う。「むしろ、終わってからだよね。ぜんぶ」とつぶやく。
ナツミ:「そうそう」そのつぶやきが聞こえたのか聞こえなかったのかわからないような調子で、ナツミは鞄から手帳を取り出して付箋の張られているページを開く。
ナツミ:「今回のステラバトルにはあと2組参加するようだよ。調べたところによると、ステラバトルに参加経験があるようだね」
ミリア:「そうなんだ。じゃあ、ちょっと手ほどきお願いしちゃおっかな」と笑います。
ナツミ:「少なくとも彼女たちは数々のステラバトルを乗り越えてきたんだ。そういう意味では心強いね」ナツミはミリアの手を取って、笑います。少しだけ手が震えているようです。
ミリア:「ナツミ……」と手を握り返します。ナツミの手が少し冷たい。「でもね、あんまり、私は怖くないかもしれない」と言ってナツミを見つめます。「こう、なんていうか……ナツミがどうにかしてくれるんじゃないかって、なんとなく、思ってる」人任せだね、と笑いながら言います。
ナツミ:「ははは、気が合うね。僕もミリアがどうにかしてくれるって思ってたよ」ミリアの手をぎゅっと握って、笑う。
ミリア:「じゃあ、なんとかがんばりますか!」と大きく息を吸って。
ナツミ:二人がそっと目を閉じると、周囲にほのかな光が発生する。そして心の底にあるある言葉が自然と口に上る。
ミリア×ナツミ:「星よ、願いの地へと導け!」
二人が唱えると同時に光が発生し、次の瞬間その姿はかき消えるのであった。光に包まれたナツミが輝く粒子になり、ミリアの周囲を覆う。鍔には小鳥を模した宝石が埋め込まれている、細身の剣を手にする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます