2話 お化け屋敷?

 国道を5人を乗せた車が、走る。


 バーボンの強烈な香りを漂わせて、正虎が呟く。


「しかし……、変わっちまったな」

 誰にともなく、呟く。


「シダばっかりですね」

 と、健二が答える。


「この辺りは、な。どんどん奥に進んでいったら、どんなことになっているやら」


「衛星写真では、本当に目的地まで辿り着くことができるか、わかりません。よ。」


「わかっているよ。逸子さん。あーあ、敬が羨ましいわ。俺も彼女の一人や二人、連れてくればよかったわ」


 敬はウイスキーを飲みながら、言った。「遊びじゃないんですよ。正虎さん。」


 わぁっとるわ。そう正虎は答える。


 緑に包まれた国道は、やがて細い道へと折れ、いよいよ木々、林、のような場所へと入っていく。


「お、いよいよ、本格的な感じになってきたな」

「正虎さん、だいぶ酔っているんじゃあないですか。向かっているのだから、当たり前ですよ」

 健一が言う。

「まあ、実際こんな場所に来られる機会なんか、そうないからの。わくわくも、するやろう」

「まあ……そうですね」


「ところで……」

 沢口逸子が口を開く。


「衛星写真から見ると、この奥には、何かあるようです」


「何かって、何だよ、逸子」と、橋本敬が言う。

「端的に言うと、人工物。」


「ピラミッド的なものかい?」

 正虎がからかい気味に言う。


「かもしれませんね。神社かもしれない。古い建築物のように見えましたけれど……」


 正虎が窓の外を見ながら、言う。

「お化け屋敷だよ、きっと・・・…」


「古っい言葉……」

 健一が、呟いた。



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