第一話 調査隊、森へ。

すれ違う車も少なくなった国道を、5人を乗せた車が北へと走っている。


道路はもうずっと舗装されておらず、時折僅かに跳ねるような振動に彼らは辟易していた。


それぞれが、思い思いのことをして、時間を潰していた。

「敬。もうずっと景色変わらへんけど、大丈夫か」


「大丈夫でしょ、いくらGPSの精度が落ちたと言ったって、ナビに問題はありませんよ」

「ほうか」


「正虎さんこそ、大丈夫ですか。バーボンなんか飲んで……。まだ時間はたっぷりありますけど、調査ですからね」

「アホ……、お前らジュースみたいな酒ばかり飲みやがって。健二、なんや、そんな安酒飲んだって、酔わんやろ。せっかくの時間や。飲んで遊んでられるのも、今のうちや。健一、お前もどや」


「俺は俺で持ってきてますからね。とっくに飲ってますよ」

 そうか、と正虎は答えた。

かわりばえのしない緑だらけの景色、世界。

自分たちは砂漠を行く駱駝の背に乗っているように健一には思えた。

めいめいがその景色に飽き飽きし、酒を飲んで時間を潰していた。




※執筆中PCが火を吹いたため、連載が遅れます。呪いによります。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る