第10話 とあるお坊さん
お昼頃、戸をたたく音で目覚めるとそこには着物を着たお坊さんが立っていました。
「すみませんが、何か食べ物を作ってもらえませんか?お金は支払います。」
そういって、なかへ入ると、席についた。
よねさんは、ちょうど炊き上がったご飯でおむすびを握った。2階で寝ているみんなの分も、はやこさんだけは、朝に仕事へ行ったのでその分を引いた人数分1人2個づつである。他にもワカメと豆腐の味噌汁にだし巻き玉子と大根おろしと漬物、とれたてのトマトとほうれん草のおひたしもだした。いつもより豪華である。
お坊さんは、湯気のあるおむすびを頬張りながら美味しい美味しいと言い味噌汁をすすった。よねさんも脇でおむすびを食べ始めた。
話を聞くとお坊さんは、ある大きな寺院の方丈様だそうで、年に一度寺を後継ぎ任せ、自分は全国をまわり一言でいえば霊を成仏させる旅をしているそうだ。よねさんは、お坊さんが偉い方と知り、お代は入りませんと言いましたが、方丈様は、笑顔でこう言った。「多分この森は大きいから、1週間はかかるでしょう。宿泊はできますか?」
よねさんは、困った。今2階はいっぱいで空いている部屋はなかったからである。
「わかりました。何とかします。1人部屋を私の寝室と相部屋にして、2階に一部屋あけます。」
方丈様は、よねさんに感謝してお金を置き、もしも私が翌日になっても戻らなかった場合は、警察へ連絡してほしいと言い残して森へ入って行った。
よねさんは、こんな事をされるお方もいるんだなと感心して、食べ終えた食器を洗い始めた。後から、2階にいるみんなが降りてきておむすびを賑やかに食した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます