シーン02 ニワトリ小屋の少女
俺は人から見降ろされるのが嫌いだ。
上から目線で指図されると虫唾がはしる。
『貴様、そこの不細工。道をあけろ。邪魔だ』
そんな最悪の出会い方をした人間とは、一生仲良くできると思えなかった。
だが、こんな状況は想定していなかった。
「ぶっ、げほっげほっ、きっ、貴様……っ。何を見ている、早く助けろっ。この卑しい下民…げみ、きゃああっ。こないで、いやっ」
目の前にいる少女。
餌まみれになってニワトリにつつかれているその女が、とうとう白と赤とちょっと黄色の生き物に埋め尽くされて見えなくなった。
「なに、やってんだ。てめぇ……」
再会したら、その綺麗な面を殴り飛ばしてやろうと思ったのに。
あれだけの高みにいながら、あれだけ傲岸不遜な態度をとっていながら、こんな阿呆な再会をするやつが、かつて俺の人生の中にいただろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます