第25話新薬シャポン(sideカイト)
「ギャラギャラギャラ! グヒヒッ! その顔、その顔だよぉ! カイトォ!」
画面に釘付けになった俺を見て、大王会長が大笑いをする。鎖に繋がれたこの状況では、どうしようもないとはわかっていても、人々がジャッカルへ変貌する姿は、見るに耐え難い。動くはずもない重鉄球が付けられた腕と足を力一杯、歯を食いしばり動かしてみたが、やはり動くはずもなく……。歯ぎしりだけを鳴らしていた。
「いいぞぉ! いいぞぉ! その怒りの感情を、怪人パワーにするんだぁ! その記憶ももうすぐ改造してブッ飛ぶんだがなぁ!」
スクリーンには、ジャッカルへ変貌する人たちを捉えているが、上空にカメラが向けられた。するとそこに現れたのは、グリーンのタイツとピンクのタイツの物体。
ジャッカルに変貌した人たちは、口元から白い粉末を吹き出し、更にその粉末を人たちが吸い込む。そして苦しがる。さっぱりわからない仕組みに、只々驚くばかりだった。
そしてカメラが地上から上空へと切り替わった。すると巨大な箱の機械が現れて、その中から、ロボットの様な物体が次々と降りてくる。そして空中から明るい光が放たれて、人々に注がれた。するとその人々は空中を舞い、巨大な箱へと搬送されていく。
「フンッ! ちょっとはやりおるか! だが、人数が人数だ。そんな事をしたところで、状況は何も変わるまい!」
そんな状況で大声で叫ぶ
「なるべく多くの人たちを救助するんだ!ジャッカルに変貌した人は、後でなんとかする! 生身の人間達を、先に先導してくれ!」
上空の巨大な箱から、ババギャーン達も救助に降りてくる。しかし、その中にレッドの姿はなかった。夜の住宅街。人々の家に入り込み、そして逃げ惑う人を、襲いかかるジャッカル達。なぜこんな事になったのか。イマイチ状況が掴めずにいた。すると、大王会長が口を開き一々説明をする。
「フハハハハハハギャラギャラギャラ! どうだぁ? なぜこうなったか知りたいか!」
「うるさい!どうせセコイまねでもしたんだろうが!」
「まぁそう息巻くな……。これはお前のおかげでもある。だから教えてしんぜよう!」
「クッ!!……」
「お前が変身した水島駅の後、前々から、舞台あいさつが決まっていた、バババギャーンの連中に、ひと泡吹かせるために、お前を映画館近くに飛ばしてやった。そこで、お前の彼女である
「全部仕組んであったというのか!」
「そうだよぉ? お前の彼女にはもってこいだろう……オタクのまぁ顔は人間にしては可愛い系か? しかも以前バババギャーンと、元ヒーローの
「おっお前!」
「フハハハハッ! ギャラギャラギャラ! その口がいつまで聞けるかな? ギャラギャラ! ヤれ!」
大王会長が、参謀である
「アガガガガッガ!」
「フンッ! ほらっ早く変身せんと、体が持たんぞ?ん? 出来んか? この大王の御膳の前、お前はまだレベルアップしてもレベル15のたかが500万パワーと言ったところか? このワシには到底及ぶまい! 桁が違うのだよ! うーん?」
「アガガガガガガガッ!」
攻撃を促しながら、大王は話し続けた。
そして驚愕の話をし始める。
「いいかぁ?その新薬シャポンが胎内に充満したら最後。ジャッカルに変身しなければ、人間は1週間後には、お陀仏だそぉ?今の日本に、それを止める薬などあるまいなぁ?グヒヒッ! ギャラギャラギャラ!」
「なっ! 何ぃ! アガガガガッ!」
「お前が引き金になった新薬、どう食い止める?」
今、
「これから最終段階に移行するそぉ!
「ハッ! 直ちに!」
「さぞ、嬉しいご対面と行こうではないか! カイトよ……クヒヒヒッ!」
「何だ、どういう事だぁ!?」
「まぁ焦るな……もうすぐ来る!」
しばらくすると大広間の扉が開いた。
「なぁんでぇ!」
俺は思わず声を挙げた。だって、そこに現れたのは、俺の母親だった・・・。
「なぁんで! 母さん!」
そう叫んだが、俺の方を一度見ただけで、声にも反応もない。直ぐ様、大王のソファへと進んで跪いた。
「ご用命ありがとうございます!」
「ご苦労だった……。長い諜報活動も、これで終わりを告げた。新たな始動の時だ!存分に力を発揮してくれたまえ!」
「ハッ!ご命令とあらば……」
そこには、普段の母親の姿は全く感じられなかった。只々大王の
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