第6話 予感

 月曜は休日明けで地獄 火曜は先が長くて地獄、水曜はまだ半分で地獄、木曜は疲労が溜まって地獄、金曜は疲れがピークで地獄でも少しだけうれしい、土曜は時間が止まればいいのに、日曜は朝は幸せでも夕方になると涙が出てくる…最近はこんなことばかり考えている。仕事は相変わらず低調。矢野支店長から激怒、桧山さんから必要に責められる。こんな状況じゃまずいなんとかしなきゃ、頭では分かってる。でも、次の職場はもっとひどいんじゃ…そもそも次の仕事探す間の金は…俺は地獄の中で動けずにいた。

 グールグルで「金 稼ぐ」と調べれば、投資家達がサラリーマンを奴隷だのと罵るがそこから救う方法はどこにも書かれていない。当たり前だ。みんなが真似できないことを為したから成功者なのだ。

 なぜだか涙が出てくるたかが紙切れなのに何で俺の人生を命を支配するんだ。…こんなもののために俺は俺は…今思えば所謂「鬱」の入り口に俺はいたんだと思う。大きな傷ではなく、小さな傷がボディーブローのようにじわじわとダメージを与える。じわじわいたぶられるから自分も周りも気づかない。サラリーマンの多くはこうして壊れていく。いや壊されていく。


 朝寒くて桜井さんの歌声が聞こえる前に目が覚める。季節はもう真冬12月の初旬である。 

 そして、何気なく開いたYahoo!のネットニュースで気になる記事を見つけた。「ジンバブエ経済破綻!貨幣の価値暴落」なぜか俺はその記事を食い入るように何度も何度も読んだ。



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