テレビを見ない

テレビを見るのを止めて二十年近くなる。昔は金のかかった CF を見るのが好きだった。広告を作っているのが電通という会社と知った高校生は憧れた(テリブル)。見なくなったのは、日本が貧しくなるに、はじめに広告が貧乏臭くなって。番組の内容がスカスカになり、CF の前と後で「見逃した人のために」同じことを繰り返す。「まだまだ続く!」と番組の最後で言い、続かない。要するに嘘まみれになった。映画が趣味で、六畳間に 50 インチのアクオスがどんと構えているけれど、映画しか見ない(NHK 受信料は払っている)。テレビはおかしい、気味が悪い。悲惨な事件を伝えて、画面が切り替わるとスポーツになる。気が狂っていると言って過言ではない。ふざけてるんじゃないですよ、本当にそう思う。テレビの文法、テレビの価値観、正義感に慣れると、自分のまともな感覚が働かなくなる。人間には「まともな感覚」がある、それが撹乱されるのだ。まともな感覚は、本を読み、隣人と語ることで育つ。テレビが教えてくれるのは、それを疑うことを許さない別の何かです。恐怖、じゃないかな。テレビを無防備に見ることに警告を発するなど ‘60s(六十年前!)のサイファイのようですね。テレビは自分の知る頃よりますます貧乏に、バカになっている。テレビを見るのを止める。動く画面の刺激が欲しいならせめて映画を。映画は二時間で終わります。

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