第4話

俺は死者の国に居た。


俺が好きだった者はなんだったのだろう。


思い出せない


死者の国には親父達もいると思ったが知り合いはいなかった。強いていうなら俺が倒してきた魔物達くらいだ。


魔物達はずっと俺を見ていた


話しかけもせずただじっと見ている


「なあ俺が失ったもが何かを知っているか。」


彼らじっと見つめていたと共に


地龍が


水龍が


風龍が


火龍が


俺を見つめ問いかけた


そう心に決めた伴侶にすると決めた者は誰かと


「忘れてしまった。」


「この馬鹿もんが!」


「鈍感馬鹿息子!」


頭を殴られ左頬を叩かれた。


「てめえはこんなところに居ていいのか。」


「馬鹿息子!なんで気づかないの!不器用にも程があるわよ。」


今度は背中と尻を思いっきり叩かれた。


子供の頃のように、正しい道に誘うように、


しっかりと力強く。


「馬鹿息子右頬は奥さんに叩かれてお行き!自分が何を殺したのかよく考えてね!」


「絶対曲げるんじゃないぞ!恋心を!」


もはや何も語るまい。


再び人生を歩みに俺は歩き出した。

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