第3話

王国はあれから崩壊した。王国の悪行と貴族達の子孫が残せなくなり平民が氾濫を起こし王族貴族は殺され革命し共和国となった。


王族のお飾りの妻だった私は悪行が暴かれると同時にすぐに平民側になった。


そして私はあの村の跡地にいる


村は花畑となっていた彼が植えたのだろう。


彼の家の前だ。


もう村の生き残りは私しかいない。


彼の家に入った


そこにはぬいぐるみの山があった


どこか私好みのぬいぐるみで手作りのものが多かった


そして部屋の奥に反物と一緒に添えられた黒く焦げたぬいぐるみを見つけた。


そのぬいぐるみを見て私は涙が出てしょうがなかった。


彼は覚えていたのだ私が一番最初に誘ったお人形遊びで大事にしていた私のぬいぐるみを


そして反物を開いた


そこには彼が私の前で振るった諸刃の剣について書かれた


守護の剣

これは真に守りたいものを守るときのみに使用を許す。たった一太刀で一振り限りで永遠の守護を約束するだろう。守りたいものへの情を引き換えに。


「あ゛、あ゛あなたはほ、んとうに不器用ですね。ほんと、うに小さ、なとぎか、ら甘えた、い゛のに甘えよ、うとしな、くって無理矢理抱きしめてあげないと甘えら、れなかったあの子が、私の愛しい人が。」


そう彼は甘えることを知らなかった。否甘え方を知らなかった。


無理にでも甘えさせなければ甘えようとしなかった。だから彼の親と私ぐらいしか情というものを感じていなかったのだ。


反物には続きがあった


この文を読んでいる者は間違いなく守られた者だ。オマエは守られてどうだった、嫌だったか、それとも嬉しかったか。この守護の剣はたった一太刀で消えゆく諸刃の剣、復讐を誓った私が本当の意味で守りたい者を護る為に編み出したモノ。


復讐はたった一太刀のために終わる。この技はかつて復讐に使った。もしオマエを護る為に復讐に使われたのだとしたら、使用者は死んだだろう。復讐は人生を全てかけて行うものだ。徹底的に対象の人生を殺しにかかる。


故にたった一太刀しか振るえない諸刃の剣。


守護と復讐は紙一重。


守りたいものがあるからこその行動なのだから。


そして守られた者よ。


会いたいか?


会いたいのならば魔力を込めよ


生命を吹き込め


深き知能という人間の得た魔力を


その中にある真髄を込めて見せよ


情はオマエの中にある


肉体は砕け散った剣の中へ


記憶はあの世から


取り戻せ


復讐の牢獄から奪ってみせよ

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