第17話 そこから
実家に帰る。
事が、許されるのか、姉にお願いをするのが最初の試練だった。
『離婚しました、しばらく家においてください』と
土下座させられた。
土下座で許されるものなら、安い物なので、お願いした。
一応は許されたが、そこは、私の実家ではあるハズなのだが、
私の扱いは、居候らしかった。
私は、『好き勝手に家出をしたのだから、実家などない』のだそうだ。
1年半、夜は託児所に赤子を預け、水商売をした。
生活が、昼と夜と逆転していたので、多少の揉め事はあれど
毎月2万、家に金を入れる事でなんとかバランスが取れていた。
2歳クラスから、子が保育園に入れることになり
夜の仕事を辞め、昼間のアルバイトになった。
そうなると、色々と事情が変わって来た。
また、毎夕飯は、私が作る事に決まっているらしかった。
居候は、家で、もっとも家事をしなければならないらしかった。
周りからは『実家暮らしは楽でいいよね』と言われるが
全く楽ではなかった。
『すぐに出て行くって言ってなかったけ?』と
事あるごとに文句をいわれ、子がイタズラをすると怒られるのも私だった。
どちらも仕方ないと思ったが、イタズラした子を、私が叱っていると
私が姉に叱られるようになった。
イヤな流れだなと思ったが、やはりだめな方向に進んだ。
私が子を叱ると、子が『寧々に怒られるよ』と反論するようになったのだ。
あぁ、もう限界が。と思い、多少金に不安はあったが
新居を決め、家を出ることにした。
保証人は、迷ったが、母に頼んだ。
母からの条件は、
『家計簿をつけ、毎月見せる』
『定期的に、通帳の残高をみせる』
だった。
30越えた娘に何言ってんだ?と思ったが、とりあえず承諾した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます