第11話 そうなると
退院した日。
義実家からは、家に来るように言われたが
クズに断ってもらった。
単純に、そんな時間が無かった事もそうだが
義実家では、猫を3匹飼っており、家中に猫の毛が舞っていた。
私は、猫アレルギーだし、そんな所に新生児を連れて行くのもイヤだった。
退院は、午後からではないと出来ず、
午後一で退院する予定だったが時間になっても、クズは迎えに来なかった。
寝坊したらしい。
『1人では、役所で手続きが出来ない』と言うので
そのために、午後一に退院して役場と買い物ができるようにと
授乳をすませていたが、寝坊で台無しになった。
買い物を済ませ、役場に行ったときには赤子はギャン泣きしていたが
『子育ては任せろ』等の発言はなんだったのか?
と思うほどに何もできず、
私は、ギャン泣きする赤子を抱きながら、書類を書いた。
やっとの思いで家に帰りついた。
赤子に授乳し、満腹になって満足してくれたようで、ギャン泣きは収まった。
早くゆっくりしたかったが、入院していた荷物を片付け洗濯をした。
クズは『ハラ減った、メシまだ?』と抜かしていた。
誰のせいでこうなったのか、少しは考えて欲しいと思ったが
パスタを茹でて、ミートソースの缶を温めた。
この簡単な調理時間ですら、クズは赤子が泣くと報告してくるだけだった。
疲れ果ててはいたが、一応の報告として、
『無事に家に帰りつきました』と義実家に電話し
母にはメールで済ませた。
すると
『明日、寧々と2人で、そっちに行くから』
『寧々は3日、私は10日滞在予定です』との返信が。
はい?何も聞いていませんが?
しかも姉もですか?
クズは、子が生まれた事を理由に仕事を休むつもりだったらしく
イヤそうな顔をしていたが、姉に会うのは初めてなので満更でもないようだった。
いつでも、私の都合は聞いては貰えないのだなと思った。
だが、母にとっては初孫で嬉しいのかもしれない。と思いなおした。
これで、本格的に、母との仲を修復できるかもしれないと思ったからだ。
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