第7話 それでは

東京を逃げ出して、5年が過ぎた頃に

私は母に

『自分勝手なのは重々承知だけれど、お互いに今までの事は

水にながしてもらう事はできないか』と懇願した。

母は、判ったといってくれた。

が、あとから気付いたが、この時も、家に姉が居なかったのだ。

『1人暮らしがしてみたい』と3か月ほど家を空けていたらしい。


そして、私は、また、懲りずに結婚をするのだ。

しばらくして、お腹に子を授かった。

子を授かった事と

医者から『安静』の指示が出たので仕事を辞めた事とを

母に告げると『金もないのに悠長な』と。

電話越しに喧嘩になり、次の日、私は流産した。

その日の内に、母には流産した事を伝えが、

母は何も言わなかった。

1ヵ月を過ぎる頃には仕事を始めた。


しばらくの間、母とは連絡を取らなかった。

そして、またお腹に子を授かった。

そして、また医者からは『安静』と言われた。

医者が言うには、私は、妊娠しづらく、流産しやすいらしかった。

雪国に居たし冬だったこともあり、私はまた仕事を辞めた。

母に告げるかは迷ったが、報告だけしたら、すぐに電話を切ると決め

子を授かった事、また仕事を辞めた事だけを手短に報告した。

今度は母は、何も言わなかった。





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