第5話 そして

母と姉は、事あるごとに私に

『お父さんそっくりで自分勝手』といい

妙な『家族の連帯感』的な物を押し付けて来た。

そして、それを、事ごとに私が破るのだと。

私が『子供らしい子供』を演じるのを辞めたからだ。


母と姉の連帯感は増し、私は孤立していった。


姉は学校へ通っていて、勉強が忙しく

母は仕事が忙しいらしかった。

私も、学校には通っていたが

家事がどんどん回って来て、それをしないと

また『自分勝手だ』と言われるのだ。


それでは、と、退屈しきっていた学校に通わなくなると

それはそれで、また『お父さんそっくり』といわれるのだ。

父は毎日、仕事に行っているらしかったので

そちらも、とんだとばっちりだろう。

この頃には、父は、もう家に寄る事もなくなっていたので

何も知りはしないのだけれど。


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