第32話 極秘プロジェクト
どれくらい眠ったのであろうか?
俺は自分のベッドに寝かされていた。
彼女も何故か横で眠っている。
俺は目を擦りながら時計に目をやった。
午前1時を少し過ぎたところである。
耳を凝らすとリビングの方から、
薄明かりと共に微かな話ごえが聞こえてくる。
声の主はもちろんケメコと、
俺の事を崇拝してやまぬ刑事の二人である。
「本当にやるのか?」
「もちろんよ!」
「大丈夫か?」
「大丈夫よ!アイツはただ出せばいいだけだし・・・」
「でもアイツやったこと無いと思うぜ!」
「アタイだってやったことが無いわ!」
「えっ!!マジか!?どうやってやるのか知っているのか?」
「だいたいは本で勉強したから大丈夫よ!
アイツだって人形相手に練習すると思うわ。」
「名前はもう決めてあるのか?」
「決めているわよ。愛が来る夢って書いてアイカムよ!」
「愛来夢?アイツ知ってるのか?」
「もちろん知らないわよ!
知ったらかえってややこしくなって、面倒な事になるでしょ?
出来てから云えばいいのよ。」
「それも一理あるな・・・」
(これは大変な事になった・・・)
ケメコは俺との子供を作ろうとしている。
しかしケメコがまだ男を知らないなんて・・・
いや今はそんな事はどうでもいい・・・
これは超緊急事態である。
いったい俺はどうすればいいのだ?
今、奴らの前に出て行くのは非常に危険である。
取り敢えず今は聞かなかったフリをしておこう。
俺は気配を消しまたベッドの中に戻った。
そしてそこにスヤスヤと眠る、
彼女の横顔をしばらく見つめていた。
「絶対に彼女を裏切る事は出来ない・・・」
そうか!
その手があったか!
俺はベッドから再び飛び起きリビングへと行き、
さっきの二人の会話を何も聞かなかったフリをして奴らに向かって、
「今まで隠していたが重大な発表がある!」
とだけ伝えた。
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