第16話 虫になった男
下半身が燃えるように熱い!!!
まだ完治していない両足に力の入らない俺は、
まるでイモムシのようにリビングの床の上を、
這いずりまわり、もがき喘いでいた。
ケメコはその姿に驚くこと無く、
冷蔵庫の中から冷えた缶ビールを手に取り冷笑し、
「相変わらずの変態ね!それ新しいプレーなの?」
と云いながらソファにもたれグビグビと音をたて、
せせら笑いながら缶ビールをノドに流し込んでいる。
イカン!
これは俺にとって、あってはならない光景である!
(ケメコに完全に主導権を握られている!何とか威厳を回復せねばならない)
そう考えた俺はケメコに、
「オイ!ケメコ!私をシャワールームまで連れていけ!」
と命令口調で指示を出した。
「はぁ~?」
「だから私をシャワールームまで連れていけ!」
「ふふふ~いいわよ!お連れするわ!」
そう云ってケメコは缶ビールを片手にソファーから立ち上がり、
いきなりタバスコのしみこんだ俺のデリケートな部分を蹴り上げた。
「いてぇ~~~~てて・~~てぎゃあぁぁ~~ぁ!!!!!!!」
俺はまるでゴキブリが地を這って逃げていくかのように、
リビングの床を通り過ぎ、シャワー室の前の洗面台の排水溝の管に、
頭をぶつけ仰向けになって止まった。
「ぎゃははは~見事にお連れしたでしょ?」
ケメコは仰向けになった俺の上にまたがり上から見下し、
まるで猫がネズミをいたぶるような目で屈辱的な言葉を俺に浴びせた。
(イカン!ここで怒ったらケメコの思う壺である)
俺は冷静に
「ケメコ~黒い毛糸のパンツが見えてるぜ!!にゃははは~」
と言い返してやった。
「はぁ~今日はパンツ履いてないわよ」
(履いてない?なぬ?どういう意味だ?)
俺は視線をうえに上げた。
「ん??・・・??」
「****きょえぇぇぇ~~~~」
なんと俺の目に飛び込んできたものは・・
毛糸では無くただの毛だったのである。
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