第12話 破滅させたい女


恐るべしケメコ・・


この女をどうすればギャフンと言わせられるか?


しかし相手は既に戦闘モードに突入している。



「早く鍵を渡しなさいよ!」



「鍵などない!」



「嘘ついてるんじゃないわよ!嘘つきは泥棒の始まりよ!」



「それだったら私は嘘をつかなくともすでに泥棒だ!

沢山の女性の心を知らぬうちに盗んでしまっている」



「あのねぇ~冗談はその股間のミノムシだけでいいの!早く出しなさいよ!」



「もうさっき出ちゃったからしばらくは出ない!」



「えっ!アンタたちそういう関係だったの?」



そう言ってマジマジとケメコは、

俺と看護婦とやらの顔を悪趣味そうな目で見つめた。



その時である!


「ありえません!絶対ありえません!」


看護婦とやらは顔を真っ赤にして、

怒鳴るようにケメコに言葉を返した。



(ありえません?)


俺はさっき確かに出ちゃったのである。



(そうか!)



俺はとっさに看護婦とやらの心情を悟った。


彼女は照れているのである!



しかも平気で俺にタメ口をきく同性であるケメコに対する、

嫉妬心も重なり心にもない嘘をつかしてしまったのだ。


俺という存在が白衣の天使と形容される、

看護婦とやらに嘘をつかせてしまった・・



なんと俺は罪深き男であろうか・・



しかし・・


「そうね!ありえないわね!

皮被ったミノムシじゃ~ねぇ~

ごめんね~ひゃひゃひゃぁ~」



どこまでもお下劣な・・・



俺は怒り震えその衝動に、

肛門が5mmほど開いてしまった。



その瞬間である!



「ぷっぷぷぷすぅ~~」


何とも締まりのない音が病室に響き渡った。



イカン!



大いにイカン!


この音は俺の意図する肛門から発する音ではない!



やり直さなければ!


俺は即座に寝て起きたところからやり直すことにした。



「ん?ここはどこだ?あれ?ケメコか?私に何か用かね?」


看護婦とやらは顔が引きつっている。


ケメコは言葉を失っている・・・



よし!



今がチャンスである!



俺は一気い起き上がり、外に飛び出ようとした。



しかし悪夢はその数秒後に訪れた。


俺は自分の足が両足骨折していることを忘れていたのである!


ベッドから転げ落ちた俺は、四つん這いで身動きがとれず、

下半身丸出しのままケメコの足元に着地してしまったのである・・・


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