第5話 迫りくる脅威
階段方向に走っていく女の背後を追いかける形で、
俺は後ろから階段をめざした。
その女は
「たすけてぇ~~!!」
と絶叫しながら階段を下った。
(あの女にも危険が迫っているのか?)
(女を助ける方が先決だ!)
そう考えた俺は即座に女の背後に迫る勢いでスピードをあげた。
俺の気配を感じたのか、女が階段を駆け下りながら後ろを振り返った。
(こういう時こそ満面の笑みを浮かべて安心させなければならない)
そう思い、俺はただちに立ち止まり腰に手をあてニッコリと微笑んだ。
「きゃぁあああああ!!!へんた~ぃ!わぁあ!!!ぎゃあああ!!!」
その瞬間である!
後ろから、さっき突き飛ばした俺の事を崇拝してやまぬ刑事がピストルを構え
「とまれ~~止まらないと本当に撃つぞ!」
そうか!
この女はあの俺の事を崇拝してやまぬ刑事に怯えているのか!
しめた!
俺は未だ変身中である。
こうなったら必殺技を使うしかない!
「お嬢さん!私の後ろに隠れて!」
「・・・・・・・・」
女は恐怖のあまり足がすくんでいるようだ・・・
仕方ない!
俺は頭の仮面を顎までひっぱり気合いを入れ、
両手を俺の事を崇拝してやまぬ刑事に向かって
大きく両手を広げ渾身の力で
「デビィ~~る~~~バリやぁ~~~~とぉぉ!!!」
よし!完璧に決まった!
これで大丈夫だ!
「お嬢さん!私は先を急ぐので失礼する!」
そう言い残し一目散に一階までの階段を再度駆け降りはじめた・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます