21話3Part 三界等立と(元)魔王VS子猫③

「ぶっひゃははははははwww!!な、なにそれwwめっちゃおもしろいっ......くくく、ぷはっww」


「これ葵雲、あんまり笑うものじゃ......ぶふっww」


「ダっっっサ」


「おう。もうお前ら好きなように言うがいい。俺は今、精神的にも身体的にも、怒る元気がない」



 針が夜6時を指す頃には既に、望桜はギックリ腰の影響で早めに帰宅していた。自宅である兵庫県神戸市中央区本町にある、三棟6階建てのヨシダパークハイム331号室にて痛い腰をさすりながら、やや不自然な格好で炬燵で温まっていた。


 流石年末、真冬の寒気は、午後5時にはもう昼の暖気と共に陽の光を地平線の向こうに追いやってしまっていた。


 木枯らしが吹き荒れてより一層寒さが増す中、同居人であり、やはりギックリ腰のせいで付き添って帰宅する事を余儀なくされた的李と共に、凍えながら帰ってきた望桜。


 その望桜をリビングで完全防寒した状態で炬燵に入り、パソコンからチラと視線を外した葵雲は、あの時見ていたお笑い動画の影響で笑い、赤くなった頬をより一層赤に染めながら、「ぎゃっはははははははwww」と大声を上げて大爆笑した。


 その後帰宅した鐘音も同じで、「え、ちょっと、老け込んだ......?」と若干ニヤつきながら引いていた。


 そして今現在、望桜は葵雲と的李に笑われ、鐘音には冷ややかな目で見られている。しかし望桜が今、色んな面においてダメージを負うことはなかった。


 なぜなら、既に望桜の精神的&身体的なHPは既に0になっているからだ。Melty♛HoneyCatsでギックリ腰をやらかして数分後の時点で。



「もうお前ら、飯にすっぞ!!腹減った!!我厘あがり!!飯食うから来い!!」


「うん。そうだね。望桜は早くご飯食べて、我厘と聖火崎に笑われる前に治さないとね」


「んな早く治るか!!」



 ぐううう......と望桜の腹が鳴り、それを受けて望桜は寝室に居るであろう我厘を大声で呼んだ。......鐘音の引きと哀れみを通り越し、もはやお前本当に鐘音か......?と疑わしくなるくらいには、いつになく心配そうにしながら告げられた言葉にもつっこみつつ。



「あ、そういえばさ〜」



 我厘を3人が待っている中で、いただきますを言わずに食事に手をつけているだけでなく、片手に箸、もう片手にパソコン。そして口で白飯をもきゅもきゅと咀嚼するという、葵雲の限りなく行儀の悪い行為に的李が若干苛立ち気味に眉をひそめている。


 そしてそんな事はつゆ知らずな葵雲は、ふと思い出した事を望桜に訊ねた。



「葵雲、飯の時ぐらいパソコン閉じとけ。んで、どした?」


「ん、わかった」



 返事とともに言われた望桜の指示を素直に聞き、葵雲はパソコンを閉じて充電プラグを差し込み口に挿入した。充電ランプが着いたことを確認すると、再び炬燵に足を入れて食事に手をつけ始めた。



「僕は呼ばれてなかったけど、なにか話し合いをしたって瑠凪に聞いたからさ!何話したのかな〜って!」


「あー......」


「そういえばそんなこともあったようななかったようなー......」



 葵雲の言葉に的李は声を上げ、その横で望桜もそういえば......と上を見上げて数秒ぼーっとしたあと、葵雲の方を向いて説明を開始した。



 ......まあ、話し合いっつっても15分程度だ。中身が重要な井戸端会議、位の認識でいい。......なに、井戸端会議が分からない?お前パソコン持ってんだからググれよ。......いや、今ググれっつー意味じゃねえよ!飯ん時はしまえっつっただろうが!!たく......そう言って、望桜は一つの動画を再生し始めた。



  ───────────────To Be Continued────────────



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る