第5話 最後まで
怪我人は出たものの、1人の死者も出さずに無事に自分たちの領地を守りきった事でお祝いムードが広がっていた。
だから気が抜けていたんだと思う。
魔獣の死骸に埋もれ潜んでいた、まだ息のあった黒い影が怒りの形相で狙いを定めていたなんて、この場にいる誰も気がつけずにいた。
狼と猪をミックスしたような大型魔獣が飛び出してきた。
死を悟った動物は潔い。
持っている全ての力を脚力を使い跳躍した。
「シーナ!後ろっ!!」
ジンの声が聞こえた。
戦闘の後に気を抜いていたのと、もうほとんど立っているのがやっとなほど疲労困憊していたシーナは咄嗟の事に身体が硬直してしまって反応が遅れた。
気がついた時にはもうシーナの顔の長さほどもある鋭い爪が5本間近に迫っていた。
もうダメだ!と、目を固く閉じた。
......が、一向に衝撃がこない。
目を開けてその光景に唖然とした。
ジンがシーナの目の前に立ち塞がり、魔獣の腕がジンの腹を突き抜けていた。
次の瞬間、むせたジンの口から大量の血が溢れ出す。
ジンは腹に埋めた魔獣のその腕を、引き抜くことを許さないと持てる全力で掴み、小さな声で呪文を唱えた。
「.....爆バク!」
危機を感じ取り驚愕する魔獣は、逃げ出す前に木っ端微塵に吹き飛んだ。
同時にジンの体は後ろに大きく揺れ、シーナの上に倒れた。
とっさに抱きとめたが支えきれずに一緒に後ろに倒れたシーナは、自身の身体に流れてくるジンの血の量の多さに我を忘れ叫び声をあげた。
怖い。
今まで戦場に立っても感じた事がない恐怖が全身を走った。
この人を失ってしまうかもしれない事が怖くてしょうがない。
半狂乱にジンの名前を呼んだ!
急いでジンを寝かせると虚ろな目がこちらへ向いた。ゆっくりこちらへ伸ばされた手を、奪いとるように両手で掴み取る。
「......無事.....か....シーナ...ぅぐっ!」
口から再度血を吐きだした。
「話さないで!!待っていて!すぐにっ、すぐに直してあげるから」
「誰か!!ヒーラーをっ!!急げっ!!」
まだ魔力に余裕がある魔術師たちがこちらへ向かって走っている。
傷口がよく見えるようにボロボロになった残った洋服を急いで破り取る。
すると、腹に大きくあいた傷口の下に見覚えのある魔法陣が見えた。
「........え?」
見間違えるはずがない。
コレはシーナが前世で《シーノだった時》に構築した魔法陣だ。
「........そんなっ.....なんでっ!!」
動揺するシーナの手に大きく温かい手が重なった。
「俺が......望んだ.....お...れはっ.....おま..えのもの.....だ」
そう言って笑った。
そんな.....あの魔法の効力は1年のはずなのに!
あれからずっとここに?
どうして!
私は彼になんて事をしてしまったの。
一瞬でいろんな思考が頭の中を駆け巡る。
ヘリオス殿下が腹を見ろと言っていたのはこのことだったのだ。
震える手でヒールをかけようとしたら、ジンの片手で両手を握られ脇にそらされる。
怪我をしてるのになんて力。
「手を離してっ!傷を治さなくてはっ!お願い手を離して!!」
ここまで傷が深くては直に傷口に触れなければならないのだ。
他に手を当ててヒールをかければ全身に無駄に魔力が分散してしまい傷口を塞ぐには魔力量が足りなくなるのだ。
「....いい...んだ......運命.....を変えたい.....長く....生....きて、幸....せに...なってく..れ」
やってきた魔術師たちが、ジンの結界にはじかれていた。
「ダメです!ユーグレ公爵閣下の結界にはじかれて傷を癒せませんっ!!」
この声に急いでジンを振り返ると、血に塗れた顔で清々しいほど綺麗な笑顔を返してきた。そしてゆっくり目が閉じていく。
すると、それまで強い力で掴んでいたシーナの手から力が抜けて滑り落ちた。
「っーーーー!!!!!」
自分の口から声にならない悲鳴があがる。
「......ダメよ....いかせないっ.....死なせるものですかっ!!」
諦めない。
シーナは彼の傷跡に手をおき、躊躇なく極大回復魔法マキシマルヒール唱える。
途端にシーナとジンの周りを囲むように眩い光が現れ、天を突きぬけるほどの勢いで天と地を繋ぐ光の柱ができた。
この魔法は今世では知られていないものだった。
だがそんな事はどうでもいい。
今願うのはただ一つだけ。
「お願いよ...おいていかないで.....一人にしないで.....まだあなたに伝えてない事があるの。」
周りで父や兄、騎士たちが息を呑む。
手を合わせて拝むものや、尻餅をつくものまでいたが、シーナには見えていなかった。
先の戦いでほとんど魔力も使い果した。
こんな状態にあってもジンの身体に在り続ける《人を寄せ付けない結界》は他の魔術師たちの手助けを受けれずにいる。
ならば私がやるしかないのだ。
身体から魔力が抜けていくのがわかる。
「お願いっ!!私の魔力全てを使ってでも!!どうかこの人を助けてっ!!」
みるみるうちにジンの腹にあいた穴は塞がっていき、綺麗になっていった。
光がやんわりと小さくなっていきやがて消えても、周りの誰もが圧倒されて動けずにいた。
シーナは全てを出し切って意識が朦朧としていた。
重い腕を伸ばしてジンの首の脈を確認した途端に意識を手放した。
目が覚めたとき、よく知っている天井が見えた。
「私.....なにしてたんだっけ」
確かスタンピードが発生して.....寝ぼける頭で順序立てて考えるうちに頭がクリアになっていき、ガバっ!と布団からはね起きる。
「.....ジン様は?」
重い体で転がるようにベットから出ると、ちょうど部屋の扉が開いて母が入ってきた。
「シーナ!!目が覚めたのね!具合はどう?」
動いているシーナを見ると、目に涙を浮かべて抱きしめてくる。
「心配かけてごめんなさいお母様。
....それで、負傷したジン・ユーグレ公爵様は?どうなったのですか?」
無事よね?
お願いだからそうだと言って
母は優しく微笑むと、客室にいると教えてくれた。
淑女らしからぬ足どりで部屋を飛び出す。
顔を見るまでは安心できずにいた。
早く
早く!
足をもつれさせながら客室にようやくついた。ノックをするが返事がない。
そっとドアを開けて中を覗き込む。
ベッドに横たわる人影を見つけて、思わず部屋に入りそばに駆け寄る。
ジン様っ!
顔の前に手をかざして息をしているのを確認すると、やっと力を抜く事ができた。
無事でよかった。
ジンの腹を魔獣の腕が突き破った時の光景は、きっと一生忘れられないだろう。
ジンの顔にかかる前髪をシーナは無意識にかきあげてあげた。
本当にこの人は美しい。整った綺麗な寝顔をいつまでも見ていられる。
シーナはまだ身体が重く本調子じゃなかったので、安心したせいか気が抜けていつのまにか寝てしまっていた。
ジンは顔にかかる優しい吐息に目が覚めた。
目を開くと、あまりにも至近距離にシーナの顔があったため驚きすぎて心臓が一瞬鼓動をやめた。
「.....シーナ。何故ここに?......というか、ここはどこだ?」
ジンが一人でつぶやいていると、シーナがうるさいな〜と眉をひそめズリズリ寝ぼけて寄ってくる。
可愛いなと顔を真っ赤にして見ていたジンは、シーナが薄いネグリジェしか着ていない事に気がついて焦る。
こんな所を誰かに見られでもしたら大変だ。
「シーナ、起きろ」
声をかけてもビクともしないので、仕方なく肩を揺さぶると、う〜んと不快そうに手を振り払われる。
思わず前世で触るなと言われた時のことを思い出して胸が痛む。
が、次の瞬間シーナが抱き枕にするように手と足でガッチリ巻きついてきた。
急な展開にジンは硬直して動けずにいたが、愛しい人が自分の腕の中にいることに感動し、久しく感じていなかった人の暖かさに動揺した。
シーナが起きたら離れてしまうだろう悲しさを感じながら、今しかない幸福を存分に味わおうと抱きしめ返した。
いつのまにかジンまで寝てしまい、様子を見にきたシーナの母が二人が抱き合って寝ているのを見て「あらあら」と微笑んで扉を閉めて何も見ていないフリをして去っていった。
シーナの父と兄には、シーナは一度起きたがまた寝てしまったから部屋に入らないように、と裏工作までして。
先に目が覚めたのはシーナだった。
今の状況に混乱する。
それもそのはず、寝ているジンを見ていたはずなのに、今のシーナはベットに入り自分からジンに手足を絡めて巻きついているのだ。
ジンの腕もしっかりシーナの身体にまわされ抱きしめられている。
少しでも身動きをしたら起こしてしまうかもしれないと冷や汗が流れる。
この状況は一体なんなの?!
どうしよう....どうしたら.....
ジンが寝返りをうとうと動いて、自分が何かを抱いている感触を不思議に思い覚醒していく。
シーナとジンは目が合い、二人して硬直してしまっていた。
「....あの」
先に口を開いたのはシーナだった。
その声に我にかえったジンは慌ててシーナから距離をとる。その動作にシーナは一瞬だけ傷ついた表情をしたように見えた。
「ご、ごめん」
「い、いえ、私のほうこそ......」
二人して真っ赤になって俯いてしまった。
この光景を前世のジンの姉が見ていたらきっと鋭い突っ込みをくれたことだろう。
「あっ!怪我は?」
「ああ、治ってるようだ。君が?」
「あ、はい。よかった......」
目に涙を浮かべるシーナにジンは心配してくれたのか、と嬉しくなる。
「ありがとう。おかげで生きている」
しかし言わなければならない。
「だが君の今後のことを考えると、俺なんか見捨てるべきだった」
シーナは耳を疑った。
「君はトルネードを、その後俺と協力して使った魔法のせいで王国魔術師だけでなく国に目をつけられたはず、その上瀕死の俺を治してしまったから神殿も黙ってはいないだろう。利用しようとする者が必ず出てくる」
シーナはわなわなと震える。
「私にあなたを見捨てろというの?バカ言わないでっ!そしてあなたを救わなかった事を気に病みながら一人で生きていけと言うの?」
つい熱くなって両手でジンの胸ぐらを掴んでしまう。
「そうだ」
強い目でしっかりとシーナと目を合わせてジンは断言した。
どうしてそこまで.....
「大げさではない。君がした事はそれほど重大な事なんだ。国にとっても他国にとっても。今後誘拐される事だってありえる。望まない結婚を押しつけられるかもしれない。家族が人質に取られたらどうする?今後、もし同じような状況になったら手を出しちゃいけない。見捨てるんだ。それが君の大切な人を守る事になる」
シーナの顔はみるみる青くなっていく。
「それを言うならあなただって.....」
「俺には君と違って守りたいものはないからな。それに、そろそろこの国を出ようかと考えていた。」
自分が側にいたらまたシーナを不幸にしてしまうかもしれない。
「....この国を....出る?」
いままで考えていたことがシーナの頭から全て吹っ飛んでいった。
この人がいなくなる?
「ど、どこに行くの?旅行?いつ帰ってくるの?」
慌てて詰め寄るシーナの手を、まだ握っている自分の服から優しく外しながらジンは答える。
「旅行ではない。この国を出たら、もう戻ってくる事はない」
そんな!
気が付いたらシーナは涙を流していた。
突然泣き出したシーナにジンは動揺を隠せずオロオロした。
「どっ、どうしたんだっ?!どこか痛むのか?あ、誰か呼んでくる!」
ベットから降りようとするジンの後ろからシーナは抱きついた。
「し、シーナ?」
「連れて行って」
「え?」
「私もあなたと一緒に連れて行って!何でもするから!掃除も洗濯も、料理だって...今は全然出来ないけど日本にいる時は手伝いもしてたし!すぐ出来るようになるから!」
シーナはジンと離れる事を考えると息が止まりそうなほど辛い気持ちになった。
だがジンは自分が言ったことでシーナを不安にさせてしまったと思ったようだ。
「君に忠告した事で不安にさせてしまったようだね。大丈夫、国を出る前に、ちゃんと君を守る体制を準備をして行くから。もしも何かあったらヘリオス殿下が味方になってくれるよ。だから家族から離れる必要はない。」
ジンはあやすように身体にまわされたシーナの手をポンポンと叩く。
「違う!!私はあなたと離れたくないの!!あなたのそばに居たい。前世では酷いこと沢山言ったし、したから.....私のこともう嫌いかもしれないけど......ちゃんと言うこと聞くから。お願い、そばに居させて......」
「はっ?!えっ?!な?!!」
ジンは半ばパニックだった。
「嫌われてるのは俺の方じゃ....?
ダンスを踊った時も早くその場を立ち去りたいと言わんばかりの態度だったし....」
「違うっ!嫌ってなんかない!......本当はずっとあなたを想ってた。だけどっ......また傷つくのが怖くてっ.....ぅうっ」
振り向いたジンの目には光が宿っていた。
だが長いこと一人で生きてきて、過去にはシーナに嫌われた挙句、死に追いやった記憶。
困惑、希望、歓喜、不安、恐怖色んな感情が勢いよく胸の中をグルグル駆け巡る。
何も言わないジンを見てシーナはわっ!と本格的に泣き出した。
「ごめんなさいっ....っく...あなたを信じられなくて...ごめんなさいっ....うぇ....たくさん逃げて、ごめんなさい...」
慌ててとっさにシーナを抱きしめてしまったジンは、やってしまった〜と思いながらも、半ばやけになって強く抱きしめた。
自分の背にシーナが腕を回して抱きしめ返してくれたことに泣きそうなほど嬉しくなった。
「ヘリオス殿下に聞いたの。あなたのこと」
「何だって?!」
バッと体を離されて、シーナはまた涙がこみあげてきた。普段は滅多に涙なんて出ないのに、何だか急に涙腺が弱くなったみたい。
「ごめんなさい....」
「あ、いや。君は悪くない。ヘリオス殿下に聞いたってどう言うこと?」
それからシーナはヘリオス殿下に会った時の話をした。
ジンは、はぁ〜と溜息を吐きながらアイツめ...と呟いている。
ジンはシーナに前世の話はするつもりはなかった。
自分に関わるとまた早死にしてしまうかもしれない。だから今世ではいざという時シーナの後ろ盾を固めてから国を出る気でいた。
そばにいたら望んでしまうかもしれない。
自分の執着が彼女の寿命を縮めてしまう、そうなる前に!と。
自分が信用できる者に彼女を託すのなら、事情を話さなければならない。
ヘリオス殿下に話したのは賭けだった。
頭がおかしいと思われるかもしれないし、信じてもらえない可能性もある。
だが、そんな心配をよそにヘリオス殿下はあっさり信じてくれて、自分から協力を言い出してくれた。
シーナにもし前世の記憶があったとしても、俺は誤解を解くつもりはないと言うと、ヘリオス殿下は訳がわからないほど怒っていたな.....。
クッションをダンダン踏み潰していたのだ。
ほんとにワケが分からん。
まさか本人に話していたとは思わなかった。
「あなたを信じきれなくてごめんない。私は自分のことばっかりだったわ....あなたにちゃんと向き合わなくてはいけなかったのに、逃げてしまった」
「もういいんだ。過去のことだよ。それに誤解される状況を作った俺が悪い。謝らなければならないのは俺の方だ。ごめんな。」
いいえ、と首をふり何か言おうとするシーナの口に指をあてる。
「いいんだ」
と優しく笑う。
「何であなたはそんなに優しいの?
私はあなたに酷いことばっかりしたのに.....
私は....私はまたあなたに愛されるチャンスが欲しい。傷つけてしまった分だけ癒せるように頑張る。あなたがくれた優しさ以上に私の愛を返すから!この先の未来は全部あなたに捧げる。私の持っている全てであなたに尽くすと誓うわ!....だから...だからまた私を愛してほしいの......今すぐには無理でも....少しずつでいいから.......だから.........」
一気にまくしたてるシーナにジンの顔はみるみる真っ赤に染まっていく。
「.....凄いこと言ってる自覚ある?」
「それでも足りないって言うならッ!...!..っもご」
ストップ!とシーナの口をジンはおさえると、勘弁してくださいと呟いた。
その言葉を拒絶と受け取ったシーナの目にはみるみる涙が溜まっていった。
ジンは口下手すぎてまた彼女を傷つけてしまった自分に嫌気がさしながら、言葉を探す。
「あ〜違うから!そうじゃなくて......くそっ」
衝動的にシーナを引き寄せ唇を奪っていた。
柔らかい感触に我を忘れそうになる。
息が切れるほど深い口づけにシーナの涙は完全に止まっていた。
体を離したあと、ジンは言った。
「むしろ何で嫌われてると思えるんだよっ!
殿下から話を聞いたんだろ?俺めちゃくちゃおまえに執着してるじゃねーか。
人よけの結界だっておまえは除外している!
.......それに俺の腹にはおまえの魔法陣がある。こんなのどう考えてもキモいだろ。」
君からおまえ呼びに変わっていた。
被ってた猫を完全に脱ぎ捨て、前世のように気安い態度が嬉しい。何より、ジンがたくさん喋っている。
「.......魔法陣っ!!いったい何で?!私は1年で期限が切れるようにしていたのにっ!」
思い出したシーナは思わずジンをベットに押し倒し、馬乗りになって服を脱がそうとする。
「おっ、おいっ!!」
焦ったシーナは服のシャツのボタンを弾けさせてしまった。魔法陣が半分ズボンに隠れていたため、ウエストに手をかけながら、あらわになった魔法陣を眺める。
「魂に定着してる........どうしてこんなことに!」
「言ったろ、俺が望んだからだ。おまえを亡くして、おまえの生きた証を残しておきたかった。だから魔術師に頼んだんだ。生涯消えないようにしてくれって。まさか生まれ変わっても消えないとは思わなかったけど、これのおかげでシーナの事を思い出せた。それに、この魔法が俺を守ってくれた。おまえが日本で見た女を弾いてくれた。」
「弾いた?.....じゃあ....ほんとにキスしてないの?」
「するわけねーだろ、気持ち悪い。いきなり迫られて焦ったけど、ちゃんと顔を避けた。その後頬に唇が当たりそうになったけど、コイツが弾いてくれた」
と愛おしそうに腹をなでる。
「私とは....した」
唇を触りながらシーナは呟いた。
「あ〜、イキナリして悪かった。だがしたかったんだからしょうがないっ!」
顔を横にそむけながら、口を尖らせる子どものような初めて見るジンの表情をシーナは可愛いと思った。
「...したかったんだ.....?」
と言いながらシーナの頬が赤く染まる。
その顔を見てジンはさらに耳まで赤くなった。
その時部屋をノックする音が聞こえた。
「ユーグレ公爵、起きているかい?食べれるなら少しでも食事を........」
タイミング悪い事にシーナの父が部屋に入ってきて2人を見て固まる。
「どうしたんですか父上.......!?」
さらに最悪のタイミングで兄が部屋に入ってきた。
二人からはシーナがユーグレ公爵に襲いかかってるように見えている。
ベットに横になったジンに馬乗りになるシーナ。
シャツはボタンがはじけ飛んでいるし、シーナの左手はズボンのウエスト部分を引っ張っている。
屋敷にシーナの父と兄の悲鳴が響き渡った。
いろいろと問題は山積みだけど、とりあえず早めに結婚できそうです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後書き
ここまで読んでくださってありがとうございます!
これにて本編は完結とさせて頂きます。
気が向いたときにラブラブ番外編、リューイ視点、ヘリオス殿下視点などで書いていけたらいいな〜と思っております。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます