第2話 傘で靴を刺されるも、軽傷でした

 小学二年生の時、雨の降った日に学校から帰ろうとしていたら、急に下駄箱で真正面から同級生に傘でを刺されました。

 この子は同じ地区から毎朝一緒に通っている子で、こっちは全く一緒に帰りたいとは思ってないのですが、なぜか待っていて困るのです。

 向こうは冗談のつもりで、刺さると思わなかったのかもしれませんが、これはいじめですよねぇ。

 傘の先が靴に刺さって、右足の人差し指に当たったか、かすったかしたあと親指と人差し指の間に先端が落ちました。

 血が少し出ましたが学校だったので、すぐに保健室で手当てしてもらい大事には至りませんでした。

 傷痕は残ってないと思います。目立たない場所だったのが不幸中の幸いでした。

 さすがに相手の様子を観察する余裕はなかったです。


 これだけだと嫌なだけの思い出になるところなんですがそのあと、一緒に登校していた近所の高学年のお兄ちゃんが、親切なことにおんぶして帰ってくれました。

 私の家まで三十分から一時間くらいはかかったのではないかと思います。

 嫌なことの後だけに、ちょっとうれしかったという記憶が残っています。

 

 

 同級生との話に戻って続けます。

 そういえばその子は学校の帰りによく、自分自身を主人公にした

■■■■ふせじにします仮面」みたいなヒーローごっこ話を聞かせてきたことを思い出しました。その話はまあまあ楽しかったのですが。

 そんな普通の子供らしい一面もあったのですが一方では、いたずらっ子というか悪い子で、下校時に通学路を外れて色々なことをしようとし、こちらも逆らえずしょっちゅう巻き込まれてしまいました。


 通学路は(幅十メートル弱程度の)川沿いの結構長い道を登下校していました。


 その子は川にまたがる電車の鉄橋を渡ってみたり(歩行者用通路が隣にあるわけではなく単線の線路のレールの上)するのです。

 それなりの高さで隙間から下の川がまる見えです。電車と落下に注意が必要で怖さが二倍ですよねぇ。

 周りは田んぼだらけで見通しは良いので、電車が近づけば音ですぐにわかる様な場所ではあるのですが……。

 それでも危ないし自分一人なら絶対にやっていないと思います。私にはそんな無茶なことをする勇気はないからです。


 ビー玉欲しさにお店の裏から勝手に持ち出したラムネの瓶を石でたたいて割って取り出したりしたこともありました。その時は他にも一緒に数人いましたが。

 まあ取り出したビー玉はちょっときれいだった……ですけどね。


 他にも全部は書けないですが、色々な悪戯をされてしまいました。

(記憶を掘り返していると忘れたままでいたかったことまで思い出してしまいますね)

 私も怒りのあまり少しだけやり返したりしたこともありましたが、ははは。

 その時はその子は驚いた顔で振り返りながら走って逃げ去っていきました。


 別の時には悪いことに誘われ断る勇気が無くて一緒に悪いことをしてしまい、何度目かに見つかってこっぴどく叱られたこともありました。

 そういえばその時の担任の先生が産休で、代わりにワイルドな感じの女性教師が来ていたんだったなということまで思い出しました。

 ホントに怖い感じの先生でした。絶対にもうしません。どうもすみませんでした。


 ある時泣かされてて、通行人が何か言って助けてくれるかなと思って、強めに泣いてみたんですがそのまま通過されました。がっかりです。


 下校途中の石だらけの河原に大きな亀がいるのをを見つけて(甲羅の縦の長さが三十センチくらいあった)それを教えて私から注意をそらしたこともありました。 十メートル以上離れた川の中にいたのですが気付きました。当時は視力がかなり良くてすぐ見つけることができたんです。

 ただ、亀に身代わりになって助けてもらったわけで、申し訳ない気持ちがあります。

 二人で向こう岸に設置されていた坂道から河原に降りて捕まえて、その子は自宅まで持って帰っていました。

 亀はその後どうなったんだろう? その子の家も川沿いだったのでそのまま帰った後で逃がしたかな~、と思いたいんですが結局翌日聞かなかったなー。

 大きなカメさんごめんなさいね。一日だけ助けてくれてどうもありがとう。


 その子とは結局そのあと近くの同じ中学校に進んだのですが、それぞれの家の方角が違うため一緒に通うこともなくなり疎遠になりました。


【学んだこと】

 今から振り返ると全くいけないことですが、小さなことでも悪いことは続けてしまうと感覚がマヒしてくる、みたいな面があるということを知りました。

 悪い誘いは最初の時点で毅然きぜんと断らないといけませんね。

 今になって思えば、結果的には自分一人では気付けないことを知らされたのかもしれません。感謝はあまりできないですが。

 自分がしてきたり、こうむったことまで含めて小説を書くときにかしたいと、転んでもただでは起きたくないと思っています。


 最初に考えていた以上に長くなってしまいました。 

 お読み頂きありがとうございました。

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ガーネットびっくり日記 千樹梨央 @senjurio

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