第7話
ワンエメちゃんの作ってくれたお味噌汁は、殊の外美味しく三杯もおかわりしまった。
卵かけご飯も、好物です。恐るべし女子力(と言っていいレベルなのかはわからんが)いいお嫁さんになれると思うよ?
さておき、ワンエメちゃんこと
「一誠さんは、この後どうするんですか? お仕事?」
「ああ、うん。お仕事デスヨ」
状況にイマイチついて行けず、つい片言な敬語を使ってしまう。
木更津輝、いや、もう面倒だからキラリちゃんでいいや。は、俺のよそよそしさに振り向くと笑顔で言った。
「私は学校があるので。受験生ですから」
だろうね。大人しく家で勉強してろよ。
「学校が終わったらまた来ますね」
「・・・はい?」
「だって、監視しないとですから」
「いや、まぁ、監視はいいけど家こなくても・・・。変な噂立てられたら困るでしょ」
「主にあなたがですよね?」
「いやいや、アナタモデスヨ」
「私は平気です。どうせ地味子で通ってる友達少ない系ですし、」
少ないんかい。て言うか自分で言うなよ悲しいだろう。
「すでにいろんな男子生徒や教員との関係が噂されてますから。今更一人増えた所で問題ありません」
「キミの境遇の方が大問題だよ」
「そう言うわけですので、」
「いや、わかった。言い方を変えよう。俺、結婚前提で付き合ってる
「見えすいた嘘は言わなくて結構です。歯ブラシ一人分しかないし、コップも。食器だってまともに揃ってないじゃないですか。あと洗濯物が溜まりすぎですどうせ週一しか洗濯してないんでしょう」
よく見てんな・・・。コワイ。
「なので私が監視に泊まり込んでも」
「ダメだろそれは!」
「噂を立てられようが全く問題ないのです」
「いやダメだよね!? ご近所さんから通報されるよ!?」
「警察には捕まりませんよ。魔法でチョチョイと操っちゃいますから」
「最早アナタが犯罪者!?」
「なので私がつきっきりで監視してあげますから安心して下さいね」
「安心できねーよ、ストーカーか!!」
「押し掛け女房です」
言い切ったよこの娘!
ラブコメなら男が居れる所だろうがそうはいかねえ。
だが、あえてここは折れたフリをしてやり過ごそうじゃあないか。
「わかったよ・・・。まいったなもう。キミの好きにすればいいさ、これ以上説得しても無駄そうだしな」
「わかってくれて嬉しいです! じゃあ早速今晩あたりにあなたの首を落とさせて下さいね」
「嫌だよ!?」
全くもって非常識極まりない。
キラリちゃんが学校行ったら早速鍵屋呼んで玄関の鍵を変えようと、俺、津崎一誠は決意を新たにしたのだった・・・。
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