第4話 新たな依頼人

そして、一は家に帰った。

「ふぅ。」

一はため息をつき、リンパマッサージの時の翠の様々なことを思い出した。

「さて。」

一は自分の世界に入った。

そして、翌日以来暫く翠は仕事が忙しいらしく、連絡は来なかった。

その間、一は普通の高校生になっていた。

そしたら、ピンポーンとチャイムがなった。

「誰だろ?翠はLineが来ると思うし・・・。」

一は独り言を言いながら、はーいと、言って出た。

そしたら、サングラスをかけた女の子が立っていた。

(また、サングラス・・・)

一は久しぶりに翠に会った時を思い出しながら、彼女を見た。

「あの、どちら様でしょうか?」

一は当然のことを聞いた。

「私はモデルの宮岸遥よ。」

玄関に立つ彼女は言った。

「えと・・・、誰?」

一は全く心当たりがなかった。

「読者モデルにて女子高生の山岸遥よ。読者モデル業界では多少名が通っているのよ。それを知らないとは、貴方モグリね。」

彼女は強めな口調で言った。

(モグリですらないんだが。)

一は内心思ったが、声には出さなかった。

「あの、要件はなんでしょう?」

一は遥に聞くと、

「当然、マッサージよ。」

遥は当たり前のように話した。

彼女の話を聞くと、まず最近翠が一段と身体が綺麗になった。そして、脚はすらっとして、健康的で。それを気になった遥は翠に問い詰めたが分からなかった。そして、翠は変装して、彼女の美容の秘密を探るべく後を追った。

そしたら、一が翠の家を出入りするのを見かけた。

初めは男が出来たからと思い遥は翠に、

「男が出来たからね。」

と問い詰めた。翠は顔を赤らめながら否定し、

「あれはマッサージ師よ。」

翠はつい一のことをばらしてしまった。

そして、マッサージで綺麗になったと思った遥は一のことを調べてここまで来たそうだ。

話を聞いた一は無言になった。

「よくもまあ、そこまで調べたものだ。」

逆に一は感心した。

「で、綺麗になるために整体を。」

彼女の言いたいことを要約した。

「そうよ。そこにあの子が綺麗になった理由があるはずよ。そうでないと身体が綺麗になるはずないもの。」

遥は勝ち誇った様に言った。

「けどこっちもタダとはいけないなぁ。もう既に翠の専属整体をしているのに。」

一は対抗するように言ったが、

「ふ~ん。彼女のこと翠って言ってるんだぁ。」

遥はニヤッとした。

(しまった。)

一は思ったが、まあ、いいわ、と遥は言って、

「一回2万円し払うわ。」

遥は翠の上回る金を出した。

「仕方ない。やりましょう。」

一は事務的に言った。こうして、一は彼女の整体をする事になった。

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