第9怪 謎のおじさん

紫色のアーチ看板をくぐると、何処からともなく聞いた事の無い様な綺麗な音色が聞こえてきた。


簡単に例えるのなら、三味線の様な音だった。

さらに、見た目は普通の商店街のように思えたが、唯一異なっていたのは建物などの外観が和風建築で、所々に真っ赤な提灯がぶら下がっていた。


それにさっきから人の姿が見えない。

見えるのは、目が三つある童や、頭に大きな耳の付いた女性など人間とは思えない風貌の者達が歩いていた。

これがハロウィンだとしたら溶け込めただろう。


そして、ボーっと建物を見ていると、天狐ではない声が後ろから聞こえてきた

「おい人間、どうやって来た」

そう落ち着いた丸い声で言ったのは

髪型はショートで、赤みがかった紫色

さらに、外見は鬼のような女性だった。


私はダイダラボッチの知り合いだと伝えると、快く接してくれた。

「なんだ。あの方のお知り合いか。ゆっくりして行くといい。」

そう言って、その女性は裏路地の方へ消えていった。


何者だったのだろうか。

―――取り敢えず今日はもう帰る事にした。

天狐は神社にと言い、帰った。


森の入口まで行き、アパートへ戻りベットで一息つく。

「疲れた〜。」と目を閉じて独り言を言っていると眠気に襲われ、いつの間にか眠ってしまった。


まぁ明日は土曜日だしゆっくりしよう。


いつも通りに朝起きて、シャワーを浴び、気晴らしに街の公園に行く。


公園に行く途中にコンビニに向かい、朝御飯に、おにぎりを二つと緑茶を買い公園のベンチで食べる事にした。


―――食べ終わり、立ち上がろうとすると

存在感の強い腰の曲がったお爺さんがこちらに向かってきた。

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