第7怪 天狗の長
―――悲鳴が聞こえる方に急いで行ってみると、身体は人間でありながらも赤い顔に、高い鼻、背中には鴉のような真っ黒な翼のある大男が空に浮かんでいた。
さらに、大きな団扇を持ち、一振でビルや建物のガラスが割れ、外観にはヒビが割れたりもした。
ここで一つ疑問が生まれた。
妖怪の本来の姿は普通の人には見えないと天狐は話していたのに、その大男を見て皆んな悲鳴を上げ、逃げていた。
それを天狐に言うと、こう説明した。―――「人に害をもたらす妖怪や人に利益を与えたり、害のない一般の妖怪が世の中には沢山居るじゃろ?しかしな、人に害がある妖怪の本来の姿は一般の普通の人には見る事が出来るのじゃ。」
「どういう事?」と私が聞くと、続けて説明する
「そうじゃな……例えば座敷童子なんかは心が純粋な人や子供が見る事が出来るのじゃ。じゃあ何故悪い妖怪が見えるのか……その妖怪自体が純粋ではないからじゃ。」
納得出来るような出来ないようなモヤモヤ感は少し残ったが一応相槌はうった。
話していると、その赤顔の大男がこちらへ向かってきた。
そして、大男は持っている団扇を縦に大きく振った。
その瞬間天狐が私の前に立ち、両手を広げて庇い風邪を受ける。
しかし天狐は強風を受けたにも関わらず無傷だった。
さらに、大男の元へと飛び上がり、後ろへ回り込み
天狐は何かを叫んでいた
「
技だろうか、それを唱えた瞬間 天狐の周りには紫の炎が体を覆ったと思ったら、一気に大男の背中に放出し攻撃していた。
―――しかし大男は無傷だったが、天狐の攻撃に驚き、空高く飛び大きな翼を羽ばたかせ、何処かに消えていった。
そして、見た目から何となく想像は出来ていたが、一応天狐にどの様な妖か聞くと、私の想像通りで、【大天狗】と話していた。
大天狗……最初見た時は足がすくみ、動かなかったが、天狐が居たおかげで不思議とそこまで怖くは無かった。
それから、あと少しで昼休みも終わるので急いで会社へと戻り、何事も無かったかのように仕事を終わらせいつも通りに家へと帰る。
寄り道をしていたので帰ったのが夜の七時
空き地に行くと、やはり山が出現していた。空間が昨日よりも広がっていた
さらに、山に天狐と入ろうとするとまたもや昨日と同じ地響きが聞こえてきた。
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