第4怪 天狐

「―――な、何で天狐ちゃんが居るの?.......」


「知らないのじゃ。神社にいたら急にこの棲家に飛ばされたんじゃ。」


一体何故私の家の居間に飛ばされたのだろうか.....あの森にはどんな力が働いてるのだろうか……


すると天狐が家を見渡しながら話だした

「.......にしても古い家じゃな」


「ふ、古い!?」


会って早々生意気な事を言う奴だな。

まぁ確かにボロいから言われても言い返さないのだけれど.....


私が住んでる家は家賃8万円のボロアパート

こんなにも安いって事は多分いわく付きなのだろうか?


こんな事考えてる場合じゃ無かった。

今は天狐ちゃんをどうするかが優先


そして私は天狐ちゃんに質問を投げかける

「そんな事より天狐ちゃん、帰りはどうするの?森も消えちゃったし、帰れないんじゃない?」と聞くと、天狐は少し考えながら答える


「そうじゃな〜……明日には森は出現するじゃろうし、ここに明日の夜まで居させるのじゃ。迷惑か?」



「いや、迷惑じゃないよ。私一人暮らしだし、寂しかったから丁度よかったよ」


そう言うと天狐は

「うむ。」とだけ言った


しかし天狐は少し照れてるようにも見えた。


「じゃあもう寝るね、今日は疲れたし」


「うむ、そうか。我はまだ少し起きてるのじゃ。」


私は疲れ過ぎて、直ぐに寝てしまった。


何時間か経った頃にトイレに行きたくなり起きると、天狐ちゃんはベランダに立っていた。


私はトイレで用を済ませて、部屋の中から外を少し見てみると、今日はいつにも増して、月が光り輝いていて、とても綺麗な満月だった。


天狐ちゃんが何をしているのか気になり、バレないようにそっと見ていると、月を見ている様だった。


天狐ちゃんの顔を何気なく見てみると、頬には一粒の涙が零れ落ちたのが確認出来た。


私は天狐ちゃんには話しかけずに、また布団に戻った。


そしてスマホで遊んでいるうちにいつの間にか眠っていたらしく

私の隣には何故か天狐が眠っていた。


―――!?しかも手を繋いでる!?

萌え死にするわこんなん……

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