其の参 白黒ツートンカッコイイよね
ここに来るようになってから結構立った気がするなぁ、そう思いつつ今日も僕は一人で池に来ていた。
「ちょっとー、あんたー。最近二日に一回はここきてないー?」
「い、いいじゃないか。今日は日本ザリガニを捕りに来たんだよ」
「はぁ? あんたねー、日本ザリガニなんてこんな所にいるわけないじゃないのさー、いてもアメリカザリガニよ」
「え? いないの?」
驚きだ、日本にいるザリガニは全部日本ザリガニだと思ってたよ。
「あんたねー、あいつ等ちゃっかり天然記念物なのよー。ニンゲンが地球を汚しまくるから数減ってるのー環境破壊もしまくるしー、あと池にゴミ捨てるのやめてくれないー?」
ステファンは池のゴミを拾いながら、僕には難しい事を言っている。
「そんな難しい事僕に言われても困るよー」
「サトシあんた、困るよーばかりいってるわねー、ここに遊びに来てるなら少しは考えなさいよー」
「えー、そんな事言われても困るよー」
「ほらー、またいってるしー」
本当だ、僕の口癖なのかな?
するとサイレンが聞こえてきた、パトカーのサイレンだ。
「うわー、パトカーカッコイイなー」
「サイレン鳴らしてるって事はー、事件があったってことね」
「世の中物騒だね」
「あらー? 割と近くに停まったんですけどー」
僕は池のそばを離れパトカーを探す、するとお寺の隣の家に停まっていた。
「ステファン、あそこに停まってるよ」
「んー?
安西さんて誰だろう?
あ、おばちゃんが二人警察の人に連れられて出てきたよ。
「ちょっとー、サトシあのオバちゃん見てみなさいよー。左の方のオバちゃんよー」
ステファンがそう言ったので、僕は左のオバちゃんを見る……
「うわ!なにあれキモイ。なんで右手が高速で左右に動いてるんだよ!」
「アレねー、パチンコ中毒者特有の症状よー。アンタもあーなっちゃダメよー」
「わかったよ、流石にああはなりたくないよ」
しかし、あのおばちゃん達は捕まったという事は悪い事をしたんだね。
「あらー、最近安西さんとこによく出没するオバちゃん達じゃないのー。やるなぁとは思ったけどやっぱやっちゃったって感じー」
「怪しかったの?」
「滅茶苦茶怪しかったわよー」
「そっか」
僕の親がアレじゃなくて良かったと、心底思う出来事だなぁ。
僕達がパトカーに気を取られていると、ガサっと音がした、僕とステファンが後ろを一斉に振り向くと作業着を着た人が走って逃げていく。
「あー! くっそーあのヤロウまたやりやがった!」
ステファンがプリプリと怒り出した。
良く分からなかったので、僕はステファンに聞くことにした。
「どうしたんだよ」
「アイツまた池にゴミを捨てて行ったのよー、激おこよ激おこ!」
ステファンは池の方に向かって行く、僕もついていくことにすると……
酷いありさまだった。
「うわー、これは酷い」
色々なゴミが散らかっていて、池の中にもゴミが浮かんでいた。
ステファンが文句を言いながらゴミを拾いだした、僕も無視するわけにはいかず手伝うことにした。
「サトシ、アンタはここの関係者じゃないから手伝わなくてもいいのよー」
「いや、ここは僕の遊び場でもあるから無視なんてできないよ」
僕は帰るまで、ステファンとゴミを拾った。
割と頻繁にあるようなんで、どうにか出来たらいいなぁと思う僕であった。
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