第43話 雫

…本能寺 浮城内…




「鐵也、安心するにはまだはやいぞ。」




「はい!」




立ち上がり刀を構えようとしたその時、滅鬼の触手のようなものが鐵也に振りかかりそうになった。








「危ない」




「水ノ型 神無月」






水面に浮かぶ月を切り裂くように滅鬼の触手らしきものを切り裂いた。








「やるな。だが、これはどうだ。」




と言い、後釜の体を切り裂くように滅鬼の触手が攻撃を仕掛けてきた。






滅鬼の攻撃を受けながらも徐々に近づき、




「水ノ型 水流六散」




水龍のような形をしたものが6つの方向に散弾し、滅鬼に差し掛かった。








「悪いな、時間を止めさせてもらうぞ。」






異様な威圧を流したあと、一時的に時間を止めた。








「解除」




「やはりか…ならば仕方がない。あれをやらねばならぬか…」








後釜は滅鬼の懐に向かい走り出した。






「水ノ形 雫」




懐に差し掛かったとき、滅鬼を包むように大きなシャボン玉が滅鬼を封じ込めた。




「最期のあがきか?」




「あぁ、わしにできる精一杯じゃ。」








心の声「鐵也、もし わしが負けそうになった時はお前があいつにトドメをさしてやってくれ。頼んだぞ。我が弟子よ。」






続く






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