第13話 「護る理由がある」

・・・清州城 客間・・・


若虎と魚黙の周りを囲むように炎に包まれる。


若虎が魚黙を斬りにかかるが魚黙は、自分の中に飼っている魚たちでかわし始めた。


魚黙に刀が当たるたびに若虎の体に擦り傷ができる。


まるで、かまいたちに襲われるように...



若虎は、刀で防ぎきったがその代償として右腕をやられた。




「次は足がいいか?」


「そうはさせるかよ 爆ノ型 爆砕(ばくさい)」

接近して魚黙が若虎を掴みかかった瞬間に魚黙の心臓あたりを狙って

血がついた刀を突き刺したと同時にカジキマグロの角で左足を斬り裂いた。



若虎の刀の爆発により壁際まで吹っ飛ばされた。



視界が薄らとぼやけ始めた。


「あと少しってところでくたばっちまうのか?俺は・・・」



女性が赤子を抱いて傍で何かをつぶやいている気がしていた。


「あぁ、わかってるさ。あいつを道連れにしてでもやりとおす理由がある。」


といい立ちあがった。


「西野村、八尾路 俺の嫁に伝えてくれ。獅子丸を頼む 元気でな、先に逝ってるぜってな」


「はい・・・」



「右腕も左足もない状態で立ち上がれるとはな」


「そりゃ、何度でも立ち上がるさ。なんせ」


「俺には護る理由があるんだからな」


「爆ノ型 終の陣 爆速絶殺」


壁を右足で踏み込み体をねじったまま魚黙の間合いに入って魚黙の体に突き刺した。


「後は頼むぜ。西野村・・・」


と同時に爆発した。



・・・清州城下町 検問所・・・


後ろを振り返ると清州城は煙と炎で包まれていた。


ただ、今もあの中で戦った若虎さんの生き様を忘れることはできないだろう。


続く








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