閑話 職員室

ーー茶菓来先生。あおいさんとさよりさんに伝えたんですか。

ーーええ。世の中には知らない方がいいこともあるとはいえこの程度、伝えておかなければこの先に待ち受けるさらなる現実で彼女達は潰れてしまう。私はそう思いましてね。

ーー確かにそれも一理ありますが…15歳にこの現実は少しきついのではありませんか?もう少し成長してからでも…。

ーーなに、意志の強い子達だと見受けました。きっと乗り越えてくれます。全力でサポートいたしましょう。

ーー先生がそうおっしゃるのなら私は従うのみです…。

ーーふふ。さすが私の元神使だな。見込みに間違いはなかった。

ーー私は先生が拾ってくださらなければここにおりません。見込んでくださったことに感謝しております。

ーー私が神をやめて神使を教育する場を作ると言い出した時もついてきてくれて感謝している。

ーー動物憑きの子供達を集めるのはとてもよい案だと思いました。まだ気づいていなかったのがむしろ幸いです。15を超えると発現し始める、人によってバラバラなそれをここに集めることで神様とより近くなり全員一緒に発現させることができる。私は外で発現しました。人と違うのはとてもきついことを知っています。しかしその中でもまた一際違うものというのは…もしかすると想像以上にきついのかもしれません。

ーーしかし全ての動物憑きを集めるのは難しい。断るものもいる。全員を神使にするわけにもいかない。基準はある程度必要だろうし。何事も多少の犠牲は仕方がないのだろうな。元神とはいえ情けない。この隔離島で過ごすこの23人のうち何人を神使として送り出せるだろうか…。より良い神使を育てようとしてなれなかったものの時間を犠牲にしてしまうところがあるしこれは私達神や元神の利己的主義のなすものだろうな。

ーー皆がより良い人生、その先を送れるよう全力で援助していきましょう。私は先生について行くのみです。

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