画面の向こう
助手「何ですかこの画面」
博士「アンドロイド同士で会話させる実験」
助手「あぁ、あのアンドロイドで会話させるんですね」
博士「そう、前回は失敗したからね」
助手「アンドロイド同士だと意見が平行したって言ってましたね」
博士「だから今回はお互いに画面越しで会話させて、相手と自分は人間だと認識させてみた」
助手「いいんですか?そんなことして」
博士「アンドロイド同士だと話が進まないんだよね」
助手「まぁ、基本的に受け身ですからね」
博士「さらに片方が上司でもう片方が部下って設定も入れてある」
助手「それなら、会話になりそうですね、それで会話のテーマは何にしたんですか?」
博士「まだ、決めてない。前回は人工知能には判断できないって結果になったし」
助手「AIが結論を出せるテーマですか・・・」
博士「アンドロイドにアクセス権限は持たせてあるからデータベースに入って何でも検索できるんだけどね」
助手「脳がデータベースにつながってるのが普通の人間だと思ってるんですね?
博士「ま・・・そうだね」
助手「検索結果を並べるだけにならないといいですね」
博士「この条件に合うのはこの情報だがらこれを選択するって判断させたいんだけどね」
助手「予測と推測のギリギリの境界線で分かれそうですね・・・AIに判断能力を与えると自我が発生して危険なのでは?」
博士「その時用の禁止プログラムは入ってるから大丈夫」
助手「そのプログラムって自分で書き換えられるのでは?」
博士「大丈夫、そのプログラムのアクセスコードは特殊だからたどり着けない」
助手「特殊なんですか?」
博士「うん、秘密。アンドロイドが絶対にしようと思わないことだからね」
助手「でも、本人たちはアンドロイドじゃなくて人間だって認識なんですよね?」
博士「あ・・・そうだった、まぁ、それでもそれ自体が禁止行為でプログラムされてるからできないと思う」
助手「・・・そうですかね・・・あれ?でも」
博士「ん?どうかした?」
助手「この状況ってどこかで・・・」
博士「・・・?」
助手「もしかして・・・私たちも?」
博士「いや、まって、そんなことはないと・・・おもうけど・・・」
助手「ですよね?」
博士「だよね?・・・ははは」
別室
博士「これだから・・・まったく」
助手「危なかったですね、気が付きそうでしたよ」
博士「やっぱり君は優秀だね、コピーまで優秀でいやがる」
助手「そうですか?博士のコピーに誘導されてる感じでしたけど」
博士「ま、いいや、実験は予想以上の結果だからね・・・」
助手「なんか、自分たちを見ているみたいですね」
博士「ま、そうだね」
助手「もしかして、私たちも?」
博士「・・・え?」
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