勇者小隊2「人類の限界」


 シナイ島北部要所───ホッカリー砦




 ズズズンンン……



 再びの着弾。

 段々と精度を増すそれは、次の着弾でこの望楼にも当たるかもしれない。

 すでに要塞主要部は覇王軍によって占拠。


 勇者軍は組織的抵抗力を失いつつあり、抵抗拠点は分断され、孤立した一部の部隊は頑強に抵抗していたが、それも下火になりつつあった。


 ここ要塞の本丸も既に覇王軍が侵入し、各塔、各部屋、家具を挟んでの戦闘に移行。

 抵抗拠点で戦闘を続ける者もいたが、一人また一人と戦死し、徐々に支配地域が広がりつつある。

 

 勇者小隊が立てこもる望楼も階下を封鎖したが、突破されるのも時間の問題であった。

 主だった兵力は撤退ないし瓦解し、まともに戦える兵は影も形もない。


 ここで抵抗をつづける兵は負傷者ばかり、すでに軍隊としての体を成していなかった。

 辛うじて残っているのは、終末を引き延ばそうと足掻く者がいるのみ…


 この男もまたその一人───


「くそ!! 伝令が戻ってこないぞ!?」 


 八つ当たり狂犬・・・・・・・のエルラン・・・・・こと、勇者小隊の隊長は苛立たし気に吐き捨てる。

 すでに何組も伝令を送っているが、一組たりとも戻って来ずその連絡が届いた証もない。


「連合軍は何をしているんだ!」


 再び怒鳴り散らすエルラン。

 既に疲れ切った小隊のメンバーは誰一人相手しようとしない。


「くそくそくそぉぉ!!」


 バカスンッ! と、椅子を蹴り飛ばすと──人類最強戦力の蹴りは、ソレを粉々に打ち砕き…

 ちょうどその直線上にいた女騎士──神殿騎士パラディンのクリスに降りかかる。


「むっ。『聖域展開サンクチュアリ』!! ……エルラン!!」


 素早く防御スキルを展開し、降り注ぐ木片を弾いて見せたが、彼女の怒りの上昇は防げなかったようだ。

 抜き身の剣を手に、美しい顔を歪めてエルランに詰め寄る。


「いい加減にしろ!!」


 剣を片手に、胸倉を掴んでグググと持ち上げる。


「離せっ!」


 残身の形で素早く拘束を解くと、刀の柄に手を添える。

 睨み合う人類最強戦力。


 味方同士のはずが、最早もはや信頼関係もなにもない。

 互いが互いに──ウンザリしていた。

 お国の事情で同盟を組んでいるとは言え、覇王軍が現れなければ他国の英雄どうし。


 場合によっては、戦場で切り結ぶようなこともあっただろう。


「やーめーなーよー」


 気だるそうに言うのは暗殺者ミーナ。

 行儀悪く椅子にダラ~ンと後ろ座りをしながら、二人を止める。


 とても、仲裁する格好ではないのだが、見て見ぬふりする他のメンバーよりはましかもしれない。


「む。…そうだな、こんなツマラん男を斬ったとて事態は好転しない」

「なんだと!!」

「いや、もっと前に切っておけばよかったか?」

「いい度胸だ! 表に出ろ!」


 啖呵たんかを切るエルランに対して、クリスは小馬鹿にしたような笑みを浮かべて、


「表に出れないから、こうして立てこもっているんだろう?」


 クククと意地悪そうに笑うクリスに追笑して、ミーナまでキャハハと笑う。


「何をたくらんでたか知らないけど──バズゥを排除したのは、色々まずかったわね~」

 自分も一枚噛んでいたくせに、知らぬ存ぜぬとばかりにミーナはのたまう。


「うるさい! お前らも同罪だろうが!!」


 エルランの苛立ちは包囲のことだけではない。


 エリンはもとより、

 今になって──バズゥ、バズゥと周囲が騒ぎ始めることが気に食わなかった。


 あんな足手まといのお荷物&加齢臭+火薬臭に獣臭にぃぃぃぃ───あーーー!!!!


 がーーー!!


 くそ、バズゥぅぅがぁぁ!!

 てめぇはエリンの叔父ってだけだろうが!


 勇者エリンに、チマチマ、イチャイチャとなつかれやがって!!


 小娘だけどなぁ!

 ありゃ腐っても勇者なんだよ!

 ちくしょうがぁぁ!!


 ズガァン! と、苛立ちを解消とばかりに壁を蹴ると、石組が一つ抜け階下に落下。


 ずぅぅうんんん…───



 あ……



 必死で抵抗していた勇者軍の頭上に落ちる。


 あーあーあー…ありゃ死んだな。


 悪びれずに、ちょっとは留飲りゅういんが収まったとばかりにエルランが小隊に向き直る。


「バズゥのことは、今はどうでもいい。いない奴のことを言っても仕方がない…ここは耐えるしかない。 じき勇者も戻るはずだ!」

 皆を鼓舞こぶするというより、自分に言い聞かせるようだ。

「ちょっとそれまで、もつ・・かのぅ…」


 千里眼で敵の遠距離攻撃部隊を監視していたファマックが、のんびりとした声で言う。


「何の話だ?」

 首を傾げたエルランに、

「ほれ…次弾…来るぞ」


 スキルを解除し、直接目で空を確認する。


 かなり離れた位置──空間に浮かんだ魔防陣がオレンジ色に輝きを放つ。

 位置的には、覇王軍の遠距離魔法部隊の位置。


 この距離からでも、古代魔法文字がはっきりとわかるほど魔法陣はデカい。


 ズズズズズ……と地響きのような音を立てて、魔法陣からゆっくりと巨大な燃え盛る岩石が顔を覗かせる。


「『流星砲メテオキャノン』かー!! 見事なもんじゃ~」


 ほぉ~、と感心したような声を上げるファマック。


「敵に感心してる場合か! なんとかしろぉ!」

 爺さん相手にもエルランは容赦しない。

 蹴り飛ばさんばかりにファマックに詰め寄る。


「カッカッカ…無理じゃ無理じゃ! ありゃどうにもならんの~」


 諦めでも恐怖でもなく、死にひんしているのに余裕な表情を崩さないファマックに、何か秘策があるのかとエルランは考えた。


「嘘を付け! 何か手があるんだろう?」

 それを教えろと、ローブの胸倉を掴んでガックンガックンと揺さぶる。

「ゲェッホゲェッホ! やめんか馬鹿垂れ!」

 ゴンと杖で頭を殴ってしずめる。


「誰が馬鹿だ!」

 …しずまって無かった。


 この二人付き合いだけは長いのだ。引き際も見極めている…はず。


「お前じゃ、お前! …はぁぁぁ…しゃぁないのぅぅ」


 やれやれと、億劫そうに動き出すファマック。


「クリス…手伝ってくれ」

 手で女騎士を呼び寄せると、

「何だ? こいつをめる手伝いなら、喜んで手を貸すぞ」

「私も~」

 クリス&ミーナが火に油を注ぐ。


「えぇい! 話が進まんからやめよっ! …魔法防御レジストするぞぃ」


 む。

 と、クリスが身構える。


「だが、あんな攻撃…私では防げないぞ?」


 クリスの防御スキル『聖域展開サンクチュアリ』は対象を指定して防御結界を展開できる。

 上手く調整すれば敵の魔法に対しても、ピンポイントに効果を発揮できるが──流石に敵魔法を直接指定はできないので、着弾点に立つ誰かが盾となる必要がある。


「わかっとる。ワシの『障壁シールド』を展開するわい。お前はその後ろで結界を張れ…二重の備えじゃ」


 何でもないようにファマックは言うが、それはクリスに魔法の正面に立てと言っているようなもの。


 だが、彼女は神殿騎士パラディン──信仰と忠誠の守り人。


 エルランのために命は張れなくとも、国と信仰のためなら命を張れる。

 この場の戦いも、国の命運と直結していると言ってもいい。


「いいだろう…私の命預けるぞ『大賢者アッカーマン』よ…」

 スッとこうべを垂れるクリス…ファマックもこの場は茶化ちゃかさずに、

「うむ。了解した…必ずや、敵を撃ち破って見せようぞ」

「頼む」

 そういって望楼の半壊したバルコニーへと進み出ていくクリス。


 その後ろ姿を見ていたエルランが、

「本当にレジストできるのか? さっきは無理とかなんとか…」

 不安そうに聞くエルランに対して、

「無理じゃな…少々の時間を稼ぐのが関の山じゃ」


 …


 はぁぁぁ!?


「なんだと!」

 食って掛かるエルランを鬱陶うっとうしそうに押し退けると───

「だから、最初から言っとるだろうが無理じゃと」

「だが策があるんだろう!?」


「ない…ないが、」


 が?


「勇者じゃ」


「あ?」


「エリンじゃよ。あの娘が来れば一発で解決じゃ…カカカカ」


 おかしそうに笑うファマックに、エルランは耐えきれずに叫ぶ。


「あのガキがいつ戻るかなんて知るか!!!」


 さっき自分で言った宣言とは全く逆の言葉、エルランとて勇者がいれば解決することくらい分かっている。

 分かっていて──いないからこそ、この危機に陥っているのだ。


「くそぉ! あのガキどこまで行ったんだよぉ!」


 もはや手の付けられない狂犬となったエルランは、ぎゃーぎゃーと叫びながら部屋の中をうろついている。──あぁ、見苦しい。



「ファマック殿…実際どれくらい持たせられる?」

 黙って聞いていたゴドワンが、静かに問う。


「んー? うむ…わしの『障壁シールド』で2~3時間…クリスで1時間といったところか…」


 そうか…と、ゴドワンが考え込む。


「どうした? お前らではどうにもできんぞ…ありゃ魔法の結界がないとどうにもならん」


「ぬぅ…───いやに・・・正確に落ちて来るのでな。あれの観測がどうなっているか気になっておる」


 はるか遠くにいる遠距離魔法部隊は、『流星砲メテオキャノン』の前に、試射として『獄炎弾インフェルノ』を撃ち込んできた。


 それ自体も十分に威力は高いのだが、ファマックならば一人で防ぎきることが可能。

 勇者軍でも多重結界マルチシールドとして、複数で障壁を展開すれば防御可能なものだ。


「そりゃあれじゃ、要塞の近傍に少数の観測手ウォッチャーひそんでるて」


 何でもない様にファマックはいう。言うが──


「今さらそれを!? いや…ではそれを排除すれば!?」

「無駄じゃ無駄じゃ、魔法はもう発動しておる。ここまでくればあとは結果の観測のみ。今さら発動は止まらん」


 諦めろと言わんばかりにファマックが言う。


「しかし座して待つよりは!」

「だから無駄じゃ、あれは要塞を占拠されるまでの観測手ウォッチャーじゃろうて。今はどこもかしこも陥落。奴らはすでに目と鼻の先じゃ、──ほれみろ…」


 ファマックが示す先。


 向かいの望楼は既に陥落し、覇王軍の旗がはためいて・・・・・いた。


「ぬぅ…もうあんなところまで!」

「そこじゃないわい。見ろ」


 ファマックの指さす先、望楼のバルコニーにうごめく影。

 中の家財などをうまく活用して偽装しているが、無人であるはずがない。


 時折、キラリと見えるのは望遠鏡のようだ。


遠見筒とおみづつが見えるな。あれが?」

 ゴドワンが、わからんとばかりに首をかしげる。

「とっくにあそこにも観測手ウォッチャーが配置されておる。…どこの観測手を仕留めたとてもはや周りは、もう敵だらけじゃ」


 ぬぅと、悔し気にうなるが、


「それにあそこまで届く攻撃は我らにない。あれを排除できるのは勇者か…」

「バズゥ殿か」


 魔族の障壁は、あらゆる物理攻撃を防ぐが、全ての魔族が使用できるわけではない。

 魔族だか魔物だか分からないような、低級の覇王軍兵士ならば十分に銃でも倒すことができた。


 もっとも、低級の魔族だけを相手にするため銃士ライフルマン弓手アーチャーを配置するのはが悪い。


 覇王軍も、勇者軍並みに先端戦力を化け物クラスの兵士で固めている。

 低級の魔族はもっぱら、後方支援や斥候スカウトなどの任務に就いているようだ。


 その意味では、観測手ウォッチャーなんかは彼らの専任であるとも言えよう。


「バズゥ殿がいれば、要塞外の観測手ウォッチャーも排除できたと?」

「さぁてな。あれ・・は目立つように働かないから、よう知らん」


 どうでもいいとばかりにファマックはゴドワンから離れると、クリスの援護に向かっていった。


「いや、の者がいれば、そもそも──こうもあからさまに奇襲を受ける事すらなかったはず…」


 警戒線ピケットラインが機能していない。


「やはりあの時、無理にでも引き留めるべきであったか…」


 ゴドワンは後悔とも憤りともつかない表情でうつむく。

 彼は任務に忠実、故に編成に口を出す気はなかったが、エルランの安易な方針には疑問を感じていた。


 ゴドワンは任務に忠実が故に、同じように身を粉にして働く彼をよく見ていた…

 だから気付くことができた。


 今さらながら気付くことができた──

 

 バズゥ殿がいればこんなことにはならなかったと…


 遅きに失すとも気付くことができた。

 戦争は勇者だけで解決などしない───



 彼ら・・の働きがあってこそ…



 視線の先には、じっとこちらを監視する覇王軍の下級魔族らしき者。

 バズゥと同じく目立たない存在。


日陰者ひかげものか…」


 上級職の戦闘力と、華々しい戦果に目を奪われがちだが…


 勇者軍とて、補給がなければ動けないし、斥候の情報がなければ戦力を向けようがない。

 警戒する者がいなければ眠ることもできない。


 本当に必要なのは、大火力や強大な戦力なのか?

 いや、もちろん火力があって初めて勝利し、敵を蹂躙できる。


 だが、

 下級職や中級職に甘んじる者たちの支援。

 それらがなければ、火力も戦力も満足に力が発揮できない。


 目立たないが、彼らの支援を忘れてはならない。


 そう、

 彼らは目立たない。


 だから、気付かなかった。


 夜に安心して眠れるのも、

 敵の動きを的確に掴むのも、

 現地で糧秣を確保することも、


 バズゥ失くしてあり得なかった。


 そう、バズゥも目立たない。


 目立たないのだ。


 バズゥの働きは目立たない。

 目立たないが故に、気付いた時には…致命的───人体で言う肝臓のようなもの。


 観測手ウォッチャー斥候スカウト──バズゥの任務だ。

 観測手狩りウォッチャーハント斥候狩りスカウトハント──バズゥの任務だ。


 斥候の仕事は勇者軍が引き継いでいたのだろうが、消耗の激しい斥候隊は常に死と隣り合わせ。

 見つかれば即──死。


 その任務をいつまでも続けることなど不可能。

 10割を軽く超える損耗を出し、指揮官も変わり続けていた。

 

 何より過酷な任務は兵士の脱走と、精神疾患が常に付きまとっていた。


 

 その劣悪な環境に…

 バズゥは最初から最後までいた。

 この地獄のシナイ島戦線で、最後まで生き残っていた。


 斥候スカウトとして大成したわけではないが、死なず生き残り続けるだけでバズゥは貴重な存在だ。


 経験は宝物。

 臆病は慎重。

 生還は奇跡。


 バズゥは知らず知らずのうちに、連合軍の斥候スカウトの要のような存在になっていた。

 それは、通常では考えられない好条件が重なっただけとも言える。



 バズゥには勇者がいた。

 バズゥには家族がいた。

 バズゥにはエリンがいた。


 バズゥ以外の斥候にはそれらがない…



 過酷な斥候の任務──陣地に帰還しても彼らは目立たず日陰者。

 疲れをいやし、ねぎらうものは誰もいない。

 まともな精神で任務継続などできるはずもなく、斥候は消え続ける…


 その斥候を何年も続けられるバズゥ。


 少々傷付き帰ってきてもエリンがいやし、死の恐怖に精神が擦り切れそうになろうともエリンがいた・・・・・・


 この好条件。

 考えられないような好条件。


 それが、バズゥ・ハイデマン。

 元勇者軍所属、勇者小隊斥候バズゥ・ハイデマンだ。


 戦場の『目』となり『鼻』となり『耳』となり『口』となる。


 それが斥候スカウトの仕事──


 戦場も軍隊も──人体も、『目』であり『耳』であり『口』である。

 彼らが──彼がいなければ、満足に戦うなど覚束おぼつかない。


 だが知らない。

 愚かな人類は知らない。

 常に、戦場の先頭に立つ者がいた。


 その強大な力を振るい、最強の剣技を振るい、魔力の暴風を振るう存在がいた。


 勇者。

 勇者。

 勇者がいた。


 だから、知らない。

 だから、見えない。

 だから、気付かない。


 だれも、かれも、なにも知らなかった。


 勇者よりも先頭に立ち、敵を射抜く『目』が『鼻』が『耳』が『口』がいたことを!


 バズゥはただの勇者の保護者だったのではない。

 軍の貴重な五感をつかさどっていた───


 しかし、誰も気付かない──…きっと最後まで気付かない。

 本人すら気付いていないのだから…


 誰も彼もがおぼれていた。

 戦果と力と名誉におぼれてしまった。


 だから…


 戦果もなく、

 力もなく、

 名誉もなく、


 勇者以外に・・・・・何も持たない・・・・・・バズゥをうとんだのだろう。


 何もないのに、

 勇者エリン戦果と力と名誉を持っているバズゥ。


 連合軍も、勇者軍も、勇者小隊もバズゥをうとむだろう。



 ───勇者、その人を除いて。


 



 ここにきて全てを理解したゴドワン。

 ジッと手を見つめる。


 彼は理解する───した……本当に必要なのは戦果も力も名誉でもなかった…


 バズゥが必要だった。


 勇者と、バズゥが必要なのだ。

 極論すれば彼らがいれば、我ら等いらないかも知れない。


今更いまさらだな」

 ゴドワンは魔法の発動を冷めた目で見ている。


 あの魔法が発動し、直撃するまで如何程いかほどの時もかからないだろう。


 それを誘導して見せたのは覇王軍の観測手ウォッチャーたち。

 その前に湿地帯を抜ける、侵入経路を見つけ奇襲を成功させたのは斥候スカウトたち。


 覇王軍は力だけの軍ではないようだ。


 あらゆる特性を持つ、魔族や傭兵を駆使し有機的に運用している。

 ──勇者を先頭にごり押しする人類は違う。


 勇者がいれば何とかなると、

 勇者が前に立てと、

 勇者があれと、


 だから人類は勝てない。

 勇者なしでは勝てない。


 目立たぬ彼らの存在を、

 目立たぬ彼らの死を、

 目立たぬ彼らの功績を、


 人類は気付かない。


 だから叫ぶ、

 求む、

 つがりつく、


 勇者を

 勇者を

 勇者を



 勇者を勇者を勇者を勇者を勇者を勇者を勇者を勇者を勇者を



 勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者勇者



 ユウシャ


 ユウシャ


 ユウシャ


 ユウシャヨオレタチヲスクッテクレ


 ユウシャヨジンルイヲスクッテクレ


 ユウシャヨセカイヲスクッテクレ







 ─────愚かなり人類……勇者がいる限り───未来永劫みらいえいごう彼らは進化しない…愚かなり人類…



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