第72話ーーどこの仙人の修行ですか?

 第65話の甲羅の値段を変更致しました。

 m(*_ _)m


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 現在は80階層でマジックビッグタートルという名前のバカでかいカメを相手取っている。

 このカメの特徴は名前の通り、魔法が得意だ。ただ得意といっても攻撃ではなく、虹色に光る甲羅で攻撃された魔法を全て反射と吸収を同時に行う。その反射吸収の際に甲羅はどんどんと光を帯びてゆき、キラッキラに光出したらこれまで貯めた魔法を全て放出するらしい、しかも倍以上の威力で。なので攻撃は物理オンリーとなるのだがそこもやはりカメ、甲羅は硬いという難物だ。


 その代わり時折落とす肉は高く売れるし、ドロップで出る甲羅の破片は大きさによってはかなりの高額買取となる。

 これはどのモンスターにも共通する事なのだが、倒し方によってドロップが変わる。つまりこのカメの場合は、甲羅をなるべく傷つけないようにすればするだけ、破片も大きくなるというわけだ。甲羅まるごとというのはこれまでほとんど出ていないらしく、未だにまるごとな上に美品であれば数百万は下らない、幻の逸品とも言われているらしい。


 そんな当たればぼろ儲けなカメを相手取っているわけだが、東さんたちは必死に目の色を変え、2パーティーに別れて戦っている。

 先輩たちは相変わらず鬼畜治療師による基礎訓練だ……秋田さんだけは重りを背負わされて。

 そしてその秋田さんの重りなのだが……虹色に光ってたりする。そう、カメの甲羅だ、しかもまるごとである。

 東さんたちが苦労している横で、まるで鼻歌でも歌わんばかりに甲羅を引き剥がし、サクッと首を切り落としていたよ。既に丸ごとの甲羅が出たのは3つ……一体幻の逸品とはなんなのか。



 カニを木刀で斬れるようになってからクソ忍者たちに囲まれて寝た。悲しいけれど即寝た……かなり身体は疲れていたようだ。

 起きたのは俺が1番遅かった、既に東さんたちや先輩たちは準備万端。だがそれでも階層を下る先行は俺らしく、慌ただしく用意をしてクソ忍者と共に10階層を一気に駆け抜けた。もちろんルート上にいる全てのモンスターを、レベルの低いスキルを駆使しながらね。


 そのお陰かどうか、またもやスキルは全て上がっている。

 そして知力ステータスも……ここまで上がってないと叱咤され、戦いながらまたもや算数問題を解かされながらだったよ……


 ◆

 横川一太 Age16

 job―[NlNJA Lv3]

 体力―AAA

 魔力―AAA

 力 ―AAA

 知力―AA

 器用―AAA

 敏捷―AAA

 精神―AAA

 ◆

 固有スキル―火遁(Lv6)・闇遁(Lv6)・水遁(Lv2)・口寄せ(Lv5)・分身(Lv21)・相位転身(Lv7)・刀剣術(Lv40)・二刀流術(MAX)・飛斬術(Lv8)・手裏剣術(MAX)・格闘術(Lv8)・跳躍(Lv20)・空歩(MAX)・浮遊術(Lv8)・壁面歩行(MAX)・水面歩行(Lv6)・毒耐性(MAX)・麻痺耐性(MAX)・石化耐性(MAX)・睡眠魔法耐性(MAX)・魅了耐性(Lv5)・九字印術(Lv14)・鑑定阻害(MAX)

 ◆

 火遁(Lv6)……火球(MAX)―火の玉を前方に10個同時に放出できる。

 ……火矢(MAX)―火の矢を前方に10個同時に放出出来る。

 ……炎雨(MAX)―前方に炎を雨のように降らせる。

 ……炎壁(Lv5)―指定の場所に炎の壁を25分間作る。

 ……炎蛇(Lv6)―炎で出来た蛇。対象を追って攻撃する。600m以内。6匹。

 ……炎爆(Lv3)―炎の球を前方に放出し爆発させる。同時発射数3。

 闇遁(Lv5)……影潜り(MAX)―330分間影の中に入る事ができる。対象が動いた場合は自動的に動く。他の影と重なった場合、移動出来る。

 ……影操身の術(Lv5)―入っている生物の影の中から、その者を操る事が出来る。連続使用時間75分

 ……影牢の術(Lv6)―影内に居る対象を、影で出来た魔法の牢に30分間閉じ込める。

 ……影蛇の術(Lv6)―自分の影から蛇を作り、対象を追って行き巻き付き影を発生させる。また身体を這い締め付ける。6匹。

 ……影沼の術(Lv2)―自分の影と繋がっている影に対象がいる場合、影へと飲み込む事が可能。同時対象2つまで。(影内は空気がない為に生物は窒息する)排出時は任意のタイミングで行える。

 水遁(Lv2)……水球(Lv9)―前方に水球を9個放出出来る。

 ……水矢(Lv4)―前方に水矢を4個放出出来る。

 口寄せ(Lv5)……鼠(MAX)―鼠を10匹魔力によって召喚できる。鼠は魔力で出来ている為に死んでも再度の召喚が可能。念話により意思疎通が可能。攻撃は不可能。存在時間は10時間。

 ……鴉(MAX)―鴉を10羽魔力によって召喚できる。鴉は魔力によって出来ている為に死んでも再度の召喚が可能。念話により意思疎通が可能。攻撃可能。存在時間は10時間。

 ……虎(MAX)―虎を10頭魔力によって召喚できる。虎は魔力によって出来ている為に死んでも再度の召喚が可能。念話により意思疎通が可能。攻撃可能。存在時間は10時間。

 ……(蟹Lv6)―蟹を6杯魔力によって召喚出来る。蟹は魔力によって出来ている為に死んでも再度の召喚が可能。存在時間は6時間。攻撃可能(口から泡を出し、相手の魔法攻撃及び物理攻撃力を減衰させる)

 ……(大鷲Lv3)……大鷲を1羽魔力によって召喚出来る。大鷲は魔力によって出来ている為に死んでも再度の召喚が可能。存在時間は3時間。攻撃可能。羽ばたきによる風魔法を使用出来る。

 分身(Lv21)……分身(Lv21)―魔力で出来た分身を21体作る事が可能。命令をこなす事が出来る。行動により見聞きした物や経験を共有出来る。話す事も可能。存在時間は21時間。

 相位転身(Lv7)……相位転身(Lv7)―自身と分身の位置を入れ替わる事が出来る。対象分身を目視するか思い浮かべ、九字印の臨の手印を行う事により可能。1.4km未満。

 刀剣術(Lv40)……刀剣を扱う事が出来る。背面に2本装備可能。「抜刀」「納刀」の発動句により手に刀を装備出来る。刀剣での攻撃の際威力があがる。

 二刀流術(MAX)……二刀流での行動が出来る。

 手裏剣術(MAX)……手裏剣を投げる事が出来る。

 格闘術(Lv8)……格闘による攻撃の際、攻撃力が上がる。

 飛斬術(Lv8)……斬撃による衝撃を飛ばす事が出来る。

 跳躍(Lv20)……身体能力+20mの高さまで跳躍距離が伸びる。

 空歩(MAX)……跳躍時に空中で10歩歩ける。

 浮遊術(Lv8)……24分間宙に浮く事が可能。

 壁面歩行(MAX)……180度の壁を床と同じように歩ける。

 水面歩行(Lv5)……50分間水面を走る事が出来る。

 毒耐性(MAX)……毒に耐性がある。

 麻痺耐性(MAX)……麻痺に耐性がある。

 石化耐性(MAX)……石化に耐性がある。

 睡眠耐性(MAX)……睡眠魔法に耐性がある。

 魅了耐性(Lv5)……魅了魔法に耐性がある。

 九字印術(Lv19)……九字印をきる事で、集中力を高める。

 ……九字印をきる事で、自己治癒力を高め、傷を治す事が出来る。

 ……九字印をきる事で、体内魔力を回復する。

 鑑定阻害(MAX)……鑑定スキル・魔法のレベル10以下を阻害する。

 ◆

 

 新しいスキル、まずは炎爆だ。これは放出した先で爆発する。火球よりも更に攻撃力が上がった感じなのだが、爆発によって起きる破片などが周りに飛散するので要注意だ。次に水矢、これはまぁ水の矢が飛んで行くだけなので、特筆する事はない。

 影沼の術だが、魔法袋の代わりになるのかと思ったらそうでは無いらしい、飲み込んだその場所でしか吐き出せないのだ。だが窒息攻撃は強い、呼吸しているモンスターなら飲み込めば終わりだからね、ただ影が繋がってないとダメなのでタイミングが難しいところだが。

 新しい召喚獣は大鷲。名前からして現代では絶滅危惧種とされている大鷲かと思って呼び出したら、体長20mで翼を広げると更に大きい個体だった。レベルが上がっても1羽しか呼び出せない事にも納得だよ、だってこんなの数羽いたら空が大変な事になるもん。ただ乗れる、あの烏で失敗した空の旅が簡単に出来る。攻撃は上空からの下降しての爪や嘴なんだけど、大きすぎて使いにくい。では風魔法はというと、これまた羽ばたきによって起こされる事象のためか範囲攻撃となってしまうのだ。地上で空の旅とか出来たら最高だけど、スキル使用はダメだしね……まぁ何というか一言で言えば使いにくい召喚獣だ。


 まぁ攻撃的スキルはこんな感じなのだが、問題は魅了耐性が上がっている事だ。俺的には先輩の魅力にメロメロな為かと思ったんだけど、クソ忍者曰くそれはありえないらしい。あくまでも魔法耐性だからだ。一体誰が俺に仕掛けているのか?謎だ。

 そしてなぜか鑑定阻害がMAXになっていた、これも誰が鑑定を仕掛けてきているのか?まぁこちらは気になるのは予想済みなのでそこまで問題ではないらしい。


 さていくつかの謎も生まれたとはいえ、トータル的には諸々上がっているわけだが、俺はカメをいつものように1人で相手取っている。 しかも秋田さんと同じように甲羅を背負わされて……

 どこのサングラスした白ひげの仙人だよっ!

 俺はいつか天下一を決める戦いにでも出るのかな!?


 これまで剣や木刀、素手でゴーレムやカニを相手取って修行してきたわけだが、このカメがその全てを奮う相手らしい。

 つまりクソ忍者たちと同じように、甲羅を傷を付けることなく討伐しろというわけだ。


 引き剥がす事は出来ないが、倒す事はさして面倒ではない。ただどうしても甲羅を傷つけてしまい、綺麗な甲羅をドロップさせられていない。切ってしまったり、割ってしまうのだ……まぁこれまでそんな修行しかしてないしね。クソ忍者たちが言うには、引き剥がせなくとも側面から切り分けるなり、衝撃を与えてやれば簡単だと言うのだが……難しい。

 そして倒しても必ず甲羅がドロップするわけでもないので、これまた修行が終わる予感が全くしないのです。出したドロップはくれるというので、張り切ってやっているんだけどね!

 甲羅の使い値は盾などの防具に使用されるらしい。虹色に光っているから宝飾品かと思ったんだけど、ダンジョンから出ると薄茶色へと変わってしまうのでそういった価値はないそうだ。もし宝飾品だったらまた大きな夢を見れると思ったんだけどね。


 1日戦い続けて、結局出たのは真っ二つに割れた甲羅6つで終わったよ。

 クソ忍者たちは完全なる甲羅を20個出していた……くれるのかなって思ったけど、どうやら5個は研究班に、残りは組織運営費用に充てるらしい。まっ、そりゃそうだよね……


 明日は今年最後のダンジョン探索で、待望の先輩と行動だってさ!!

 やる気がめちゃくちゃ出てきました!!

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