カリフォルニアの電車の中は変な人だらけ。
カリフォルニアのバスや電車の中で(というか街中でも)すごく変な人に遭遇します。
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夫の出身地の北カリフォルニアには何度も行き、南のロスアンジェルスには3年住んだ。初めて行ったのがサンフランシスコ。初めて聞いた生の英語がホームレスからの
「25セントくれ」だった。
カリフォルニアには驚くほど治安が悪い場所がある。夫の出身地のオークランドも悪名高いけれど南のコンプトンが一番有名だと思う。
市全体が治安の悪い場所もあるけれど、普通の街からほんの一本道を跨いだら麻薬常習者がうようよいたりする。
我が家はエルセグンドというLA空港のすぐそばにあった。裁判所のすぐ隣のアパートメントでこの辺りはそれほど治安は悪くはないけれど、素晴らしく良くもない。なのでゲートがあり住民しか入れないようになっていた。道路を挟んだ反対側のイングルウッドと言うところは非常に治安が悪いところだった。
住めば都と言うけれど、こういう場所でもあっという間に慣れてしまった。
家から歩いて10分くらいの所に電車乗り場があった。これはいいと利用しようとしたところ友人が
「やめた方がいいよ」と忠告してくれた。
「なんで?バスも乗ろうと思ってるけど」
「バスも電車もおすすめしない。低所得の人とかホームレスが多く利用するんだよ」「そうなんだ、でも気を付けるから大丈夫」
「バスは特にやばいよ。有名なおばあさんがいるんだけどバスの中でトイレしちゃうの、大きい方!」
「え!!」
「あっちに転がり、こっちに転がりで、乗客が悲鳴上げて大変だったらしいよ」
それはちょっと嫌だ。でも電車はまあ大丈夫じゃないかなと遊びに来ていた夫ママと一緒に行ってみた。
一応改札らしきところでチケットを買う。誰もいないけど。改札と言うかすごく簡単なフェンスのようで、小さいドアがついてる。誰でもまたげる。
階段を上っていきホームで電車を待つ。時刻表もアナウンスも何もない。もちろんキオスクもジュースの自販機もない。そして、いきなり後ろから
「よう金ある?金くれよ! 俺、金ないんだ」と声かけられた。ヒエ!と思いつつも
「私たちもないよ~」と言い電車の中へ。
ギターを持って歌っている人がいた。チョコレートの箱を持って売りに来る人がいた。なかなか日本ではお目にかかれない光景だ。
そして極めつけが乗り込んできた黒人のおじいさんがおもむろに左目から義眼をスポンとはずして
「見てくれ!!俺の目は1つしかないんだ!!仕事もないんだ!金をくれ!!」と叫びながら練り歩いていく。次の車両でも誰かが何か叫んでた。
「わあ怖いタミイ~~」と夫ママは腰抜けそう。なので
「私も胸が1つなんだ~金くれ~って言いながら、おじいさんの後ろから一緒に歩こうかな?」と言うと乳がんの胸の切除手術の事を知っていたママは大笑いしてくれた。うけた~!!
それからも「お金くれ」はほぼ毎回、他にもいろんな人にお目にかかった。アメリカと一口に言っても州によって、市によって全然違う。怖いとは思わなかった、それよりも面白い国だなあと思うのだった。
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