おむつを付けて大騒ぎするニューイヤーイブ

 

〇アメリカでは大騒ぎするのはニューイヤーのイブ。元旦は普通の日です。


.............................................



約20年前、はじめてアメリカでお正月を迎えた。


結婚して数年間は基地内とはいえ日本で暮らしていたので、おせちを作りお雑煮を作りと日本式のお正月を過ごしていた。


その後異動が決まり、アイダホのマウンテンホームという恐ろしいド田舎に住んだ。


夫は緊急救命士として、ある時は救急車あるときはERでの仕事をしていた。


31日の夜も夜勤として病院勤務。


紅白もなければ、ゆく年くる年(ていうか今もあるのかな?)もない大晦日。


お餅もかまぼこも伊達巻もなにもない大晦日。


もちろん除夜の鐘もなし。


日本のニュースで「除夜の鐘がうるさい」と苦情が来たというのは本当だろうか?だって私はこの鐘が聞こえない大晦日の夜が寂しくてしょうがなかった。


そしてアイダホではあまりの寂しさに自分で


」と言ってしまった。


その響きのあまりの悲しさに、みじめさに、泣いてしまった。


そんな私のアメリカではじめての大晦日。


もっと驚いたのが


「ねえ、ニューイヤーの日ってなにするの?」と聞いたら

「別になにも」と言われたことだ。


なにもないの?なにも?


ない。


学校も2日からだった。


1日は祝日だけど普通の日。


そんなあ!寂しい!


アメリカから来た文化が多い日本(クリスマスとかハロウイーンとか)


せめて初日の出とか逆輸入されてもいいのに。


ちなみにニューヨークの大晦日はド派手だ。タイムズスクエアで行われるカウントダウンのイベントが有名でコンサートがあり、ニューイヤーには花火がぶちあがり、紙吹雪が舞い散り、ド迫力だ。毎年テレビ中継されるので、これを見ながらカウントダウンをする。


午後3時には入場規制でゲートを閉めるらしい。お昼から半日も極寒のNYで立ち続けるらしい。そして衝撃は!なんと!大人のおむつをつけている人が多いらしい!!


えええ~??


そりゃあそうか。場所取るために12時間立ちっぱなし。トイレなんていけないのかあ?


でもそれ以来カウントダウンでニューイヤーの瞬間にテレビに映る抱き合ってキスしている何万人の人たち、プロポーズしている人たちを


「おむつ、つけてんのかな?」と思いながら見ている。


すっかり変な大晦日の楽しみができた。



ちなみにハワイに住んでいた頃は日系人も多いので食品も手に入りやすかった。大きい日本食品店に獅子舞がきたりもしていた。


大晦日はどこの家でもものすごく大量に花火をする。特に爆竹のような大きな音の出るもの。これは中国からの影響なのかもしれない。


なので「アメリカでは」と言っても一概に同じ大晦日ではないけれど、中西部のこの辺ではまあ同じかなと思っている。


日本人の誇りと美しい文化のため。というのは建前で本音は自分が食べたいから毎年ちと怪しいおせちとお雑煮つくる我が家。


息子が家庭を持ったら、日本の大晦日、お正月の様子を話だけでもいいからつないでほしいなと思っている。


ただし、除夜の鐘は本当は口で「ご~ん」って言うんじゃないからと言っておかなければいけない。









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る