人類透明水彩
流行りの服を着て、流行りの髪型をして、流行りの言葉を使って話す。
集団心理がお得意で、恋することが正義で、右手にはナイフ、左手には拡声器を。
水に濡らしたら溶け合ってしまいそうな群衆。白いキャンバスが透けて見えるのは、果たして良いのか悪いのか。______画材を変えるかなんて、人それぞれ。
だけどもし、独りが怖くて好きでもない服を着ているのなら。好きでもない人と一緒に居るのなら。_______水彩のように、混ざり合っているのなら。
上から色鉛筆を重ねてもいい。いっその事塗りつぶしてもいい。鉛筆で形を作るだけだっていい。
_______それが例え、制服を着ている時だって。白い薔薇を赤く染め挙げるハートの女王のトランプ兵だって。
覚悟を決めて自由でいるその鮮やかな色は、きっと美しく見えるから。
自分が描く物語の主役は自分だから。
誰かに声をかける勇気も、誰かを助ける勇気も、一筆で運命を変える力になるから。
さあ、貴方の色が淡く溶けゆく前に、昨日の自分を塗り替えに行こう。
その方が、このモノクロみたいな世界もワクワクに変わるでしょ?
_______なんて、今の君に言えたなら。
_________あれ、なんでこんなこと考えてるんだっけ。
___________ああ、そっか、僕は_________
_____________透明水彩な君が、嫌いだったんだ。
_______________その疑わない透明感を、美しさを知らないまま。
_______君の幸せを心より願っています。
_________なんて。
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