第8話 見据えゆく者達

——「接触しては、ならぬ。」

薄暗い部屋に、3人の人影と、それを見下ろす声の主。


3人は、部屋を出て。

その内の一人が、今回の話題に、ついて2人に、問いかけた。

彼女は、胸を躍らせていたのだ。

7人の子供達の行く末と、魔法界の今後。

そして主への想い。


それに対し、一人の青年が、彼女に、答えた。

「観賞するな。マモ」

「我々は、主の為、動くだけだ。」


でもこのままだと、あの2人死んじゃうよ?

マモは、青年に、不満そうに答えると、青年は、答えずにある場所へと足を進めた。


3人が辿り着いたのは、大きな禍々しい鏡の前。


「準備は、いいな?」

一番の大男が、2人に言った。


マモは、先程の事など忘れたかの様に、胸躍らせている様子だった。

一方で、青年は、大きく溜息を吐いた。


「お前の気持ちは、わかる。だが、これも我々の役目だ」

「言っただろ。観賞するなと。」

そう言って、青年は、真っ先に鏡へ飛び込んだ。

すると鏡は、青年の身体を呑み込み。青年の姿は、跡形もなく消えたのだ。


「マモ、遊びに行くのではないぞ」

「わかってるよ♪」

マモも続けて、鏡へ飛び込んだ。







森の国ディープフォレスト



既に、3体の兵士と、植物の兵士達プラントソルジャーの戦は、始まっていた。

次々と現れる兵士達を、力の限り薙ぎ払う3体の兵士達。

森へ続く道が切り開く瞬間に、進んでいく。

セツナとリクべべ。


「気を逸らすな。前だけ向いて進め。」

リクべべは、セツナをサポートしながら、3体が、切り開いた道を共に進んでいく。


――凄ェ・・・。

セツナは、3体の強さに圧倒されながらも、前に進んだ。

これなら行ける!っと確信した瞬間だった。


ゴリラが、大きな悲鳴を上げた。

それと同時に、植物の兵士達が、束になってゴリラに巻きつき囲んでいく。

必死で、自慢のパワーで、薙ぎ払うも数に押され、一瞬で、兵士達に埋もれて行く


セツナが、振り返ろうとするも

リクべべが、振り返るな!!と怒鳴りそのまま進んでいく。


次に悲鳴を上げたのは、ヒョウだった。

足をツルで捕まれ、身動き取れぬまま兵士達に囲まれ潰されていく。


その時だった。セツナをあの感覚が襲った。

頭痛と眩暈めまいと共に、

再び身に覚えのない記憶が、頭を過ぎる。


倒れ込むセツナをリクべべは、抱え必死に前へと進むも

植物の兵士達に、攻撃を受け怯む。


その姿を見て、リクべべを襲う植物の兵士達を薙ぎ払っていくライオンの兵士。

行ってください!!

大きく叫んだライオンの兵士の声に、傷ついた身体を動かし再び進みだすリクべべ。


いよいよ、森の入り口に辿り着いた瞬間。

大きな刃の様な枝が、リクべべの身体を貫き、セツナは、吹っ飛び

我へと返った。


セツナは、振り返ると、そこには横たわったリクべべの姿が。

――リクべべ!?


「構うな!!早く行け!!!」

リクべべは、セツナを睨みつけセツナは、慌てて森の奥へ進んだ。


そしてリクべべを囲む植物の兵士達。

「・・・」

リクべべは、にやりと笑い植物の兵士達は、リクべべを覆い潰した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る