第6話 招かれざるセツナ。

森の国ディープフォレスト南西部に或る動物達が、暮らす村。

此処では、魔女の呪いを受けぬ様、あらゆる木々を薙ぎ払い

石で建物や外壁を作った この国唯一の植物が、存在しない村。


『人間だ・・・。』

『魔女の手先じゃないのか?』

『きっとそうだ』


ゴリラに、おぶられているセツナを見て、

村の動物達が、小声で話している。


――・・・。

「・・・気にするな。」

――何処に、向かってるんだ?

「この村の村長の家だ。」

――村長?

「魔女から、この国を守ってくれた。」

「それに、最後まで魔女と戦い、我々に戦う力をくれたお方だ」


2人は、村の中心部に、ある村長の家に、辿り着き扉を開けると

そこには、身体が大きな熊が、横たわっていた。


「無事だったか。」

熊が、身体を起こし大きな椅子に座ると、ゴリラが、セツナの紹介を進めた。


「なるほど。異界の者か。」

「君、もういいぞ。下がれ。」

すると、ゴリラは、村長の家から出て行こうとする所を、セツナは、小さくお辞儀をして

ゴリラは、それを確認し、家を後にした。


村長は、ゴリラが家を出たのを見て、セツナに話を続けた


「安心しなさい。私も凪君の事は、知っているよ」

――本当ですか!?

「そうか、まだ君は、記憶の断片コネクトが、あやふやなままなのか。」

――そうなんだ。覚えてるのは、凪の事と、女の子が、俺に、助けを求めている場面。

「恐らく、“黒魔道士の呪い”が、君の力の目覚めを妨げているのだろう」


――“黒魔道士の呪い?”

「凪君を殺した黒い影も、恐らく君の身体に、つけられた呪いの一種」

「何らかの形で、発動したのだろう」

――・・・そんな。じゃあ俺が、凪を。


「そうだ、申し遅れた。吾輩の名は、リクべべ」

「100年前、君達7人の子供達に、魔法界を託した賢者の一人だ。」


――100年前?

「そうか・・・。君は、凪からその件は、聞いてないのか」

――何のことだ?

「今、世界で起きている魔法に、よる事件は、全て100年前から来ておる。」


――じゃあ凪は、知ってたのか!?

記憶の断片コネクトの事も凪から教わったのだろ?」

――そうだ。


「そうか。凪も、あやつも、君に託したか。」

――なんの事だ?

「セツナ。この国に、魔女がいるのは、聞いたな」

――確か森の奥に。

「そやつも、君と同じ。100年前に、最後まで生き残った7人の子供の一人だ。」

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