第24話.この世界。2
数日掛けて不死の王の城の元まで来た…。
日が傾いている。
「今晩はココで夜を明かそう」
「うん、焚き木拾ってくる。」
「昼間に拾った瓜が未だ有るわ。」
「えーまた?」
草原で何故か瓜の葉が有ったので捜してみたら瓜が生っていた…。
南に進むほど度々草原で見るので…。
「明日は肉を探そう。」
食料には困ってない。
「さんせー。」
寝床を整えながらルーランが答える。
「そうねぇ…。」
ミラン姉さんが焚火の準備をしている。
「今日は大きいのから食べる。」
ヘリンが瓜を出した。
もう既に泥で固めてある。
「丁度いいのかあったわ。」
アリンが折れた大きな枝を引き摺って来た。
「アリン…。切ってないでしょうね?」
「切ってないよ?ミラン姉さんほら乾燥してるでしょ?」
「ならいいわ。」
「よし、枝を払おう。」
腰から下げた小斧で細かく薪にする。
日も落ちて…。
皆で焚き木を囲む。
「焼けたわね…。」
焚き木の中の土の塊。
を木の棒で転がし…叩く。
焼けた土の塊の中から瓜が出て来た。
「うーん。良くできました。」
ナイフを入れた感触でミラン姉さんが喜ぶ。
干した魚を炙って皆で瓜を食べた。
お腹が膨れると毛布を被り眠る。
虫の鳴き声と星明り。
ぼそぼそと姉妹が話し合っている。
「ねえ…。兄弟ってどんな人かしら?」
「…。会えば解るわ。」
「姉さんはどんな人が良い?」
「ふ…。誰でも良いわ。頑丈な人なら。」
微睡の中へ沈んで行った。
南にへ進むと谷が狭く成って行き…。
不死の王の石の兵を見るのが多くなった。
皆、長く動いていない様子だ…。
小山だと思っていた目標が不死の王の石の蜘蛛でびっくりした事がある。
初めて近くで見た…。
アレが動くんだ…。
この谷は広いが不死の王の建てた物が多いので迷うことは無い。
稀に、ゴブリンの気配が在るので避けている。
今の所、遭遇したことは無い。
谷の出口が遠くに見える。
草原を進むと…。
数人のゴブリンと遭遇した…。
「オマエラ…。ナニシテル。」
いきなり声を掛けて来た…。
数が多い。
こちらも戦闘はしたくない。
「谷を出る所だ。」
だが相手も武器を構えている。
姉妹たちは小弓を構えている。
「オマエラ、おう二、シタガウカ?」
「不死の王の言いつけは守っている。」
叫ぶ。
「ナラ、イイ。イケ」
お互いにじりじりと後退して…。
離れたら走り出した。
走って…。
息が上がった所で止まる。
「ふう、良かった。戦闘に成らなかった。」
呼吸を整えながら話す。
「不死の王はゴブリンを従えているのかしら?」
「うーん、わかんない。」
「不死の王の言いつけって。糞の処理と木を切るな!?だけでしょ?何考えてるのかしら。」
「王が作った物を壊す事も駄目が抜けてるよ…。」
「あんなの壊せないわよ。」
「とにかく…。
「取るに足らなかったら…。警告には来ないわ…。」
「オーガは…。きっと何かしたんだよ。不死王の怒りに触れる事を。警告を受けたのかもしれない。でも守らなかった。」
「そうねぇ…。だとしたらゴブリンに何を命じたのかしら…。」
「しらないわよ…。たぶん下らない事だわ。」
進むほど谷がどんどん狭くなり。
多くの草生す石の兵の列が多くなる。
そして湖と二つの石柱。
「あった…。谷の出口だ。」
「ココが谷の出口。」
「不死王の門。」
先には何もないが不死の王が作った階段が有るはずだ。
父と母の歌にはそうあった。
水飛沫をあげる横の長い階段を降りる…。
遂に下に降り切った。
降りた階段を見上げる。
「これを不死の王は創ったんだ…。」
たぶん、人の手では出来ない大きさだ…。
父さん、必ず兄弟を連れて帰ってきます。
「さあ、行こう。」
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