第8話:地上制圧2
今日も脳内に知覚範囲が増える。
日課のゴーレム製造は有るが、計画の修正と回復を待って補充の必要な
小型ゴーレムの製造は止めている、大型ゴーレム製造で
大型ゴーレム製造はダンジョンの外、城塞の中に専用の地下工廠を作った。
骨の回復が終わらないので今日は外に出ない。
ほら、ダンジョン内で作っても…、出口が狭いと外に出せないからな。
玉座の後ろには試作初号機の中継器と蜘蛛型ゴーレムが飾ってある。
ムカついたから戦闘仕様に改造した。
その為、別の作業に熱中している。
”敵が来ないならコッチから征く”作戦が頓挫した為。
”取り合えず生き物が生存できる環境にする”作戦の計画だ。
中継器の数が増えたので、外の地形も有る程度は推察できる。
地中温度計と気温計、気圧計に湿度計も付けたのだ。
大まかな外気温測定を行って居る。
やはり昼と夜の寒暖の差が激しすぎる。
湿度が有れば、雨さえ降れば…、湖が有れば水が昼夜の気温調整の役目をする…。
「だが、この大地は水の浸透が良すぎるようだ…。例え池を掘っても水を湛える事は出来ないだろう。」
実際に城堀を掘ったら水が溜まらなくて空掘りだ。
地下水は有るだろうが、地下水位が低い為に深く掘らないと出てこない。
到底、この大地を潤す程の水は見込めない。
だが…方法は有る。
「ダムを作る…。」
水が無ければ集めて貯めればよい。
この谷の出口部の地面を掘り下げ岩盤層から遮断水壁を作り埋める。
地下からダムを作って水を止める。
地下水位を上げて雪解け水で潤す。
無論、この盆地に雪解け水だけで溜まるまで何十年と掛かる。
ダム本体も大工事だ。
完成しても、高低差の関係で北部の地下水位は低いが対策はある。
北部の谷の入口、河川底に
その為の地下水路と池が必要だ。
大工事で大型ゴーレムが大量に必要だが。
中継器の内側なら小型ゴーレムでも十分に活動できる。
人型ゴーレムでは効率が悪いので、作業特化したゴーレムを作る必要がある。
「ブルドーザーか…。いや、牽引式スクレーパでも作るか。」
小型ゴーレム数体で牽引できれば…。
中継器設置の速度を落とさずに工事を進める事ができる。
機材の設計を考え、工事計画を作る。
工事予定地域の中継器を優先して設置させる。
本末転倒だが仕方が無い。
眠っている小型ゴーレムに仕事をさせるのだ。
無給で無休の
俺の工程表がそんな事は許さん!!
作った用水にはメンテナンスが必要だが、別に耕作作物を作る訳では無い。
木々が生茂り、大木が育ち、地下水が根から給水できるまで…。
森に成長するまでだ。
精々、三十年持てば良いのだ。
「計画を立てて対策を講じて一気にこの平野を制圧してみせる!!フハハハハハハ。」
最地下の玉座から立ち上がり。
尺骨の無い両手を天に広げた。
計画策定が終わり。
拠点作りはもう既に始まっている。
数が限られる蜘蛛型ゴーレム達は今、工事計画地に向かいながら本格的な中継器を設置している。
地下ダム建設の為に準備中だ。
現地は掘ってみないと解らない。
「この一号地下堰堤が完成した暁には経験をフィードバックさせる。」
その為に小型ゴーレム達への建機アタッチメントを計画中だ。
南河口、ダム本体の工事には未だ着手していないが。
中継器設置内ではため池の工事が始まっている。
多くの小型ゴーレム達が、穴を掘って底を防水の為、石ブロックを敷き詰めている。
将来、伏流水水位が上がる事を想定して。
水の無い河川を広く掘削して地下と側面に堰堤ブロックを敷き。
遮水層として上流側には地下水路を併設している。
側面と上面から浸み込んだ水はそのまま地下道水路としてため池に繋がっている。
地下水位が上がれば伏流水が池に流れ込み、枯れない池が出来る。
無論完成は未だ先だ。
何せ河に水が無い。
未だ一番の難工事、南側出口のダム建設が始っていない。
掘っても水が出ない間に地下堰堤を有る程度は完成させておく必要が有るのだ。
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