第7話:地上制圧1
対策が出来るまでの間は、大きな骨を使ったゴーレムを選別して基地外活動組みにした。
活動距離、12kmを境に城兵と遠征班に分けた。
始め16kmで分けたら数が余にも少ないので、活動限界12km以上16km未満は補助にして三体一班でこの荒野を捜索するのだ。
取り合えず、岩の杭を設置して城壁の上のレーザー砲台から砲撃、方位角と仰角から距離と高低差を計る。
やっているのはこの盆地の地図を作るのだ。
城から16km以内の地図が出来る。
その後、城壁から10km以内毎に中継塔を建てる心算だ。
問題は城を囲む様に建てると最低7個。
その外周にも建てると更に倍…。
俺の肋骨が持ちそうに無い。
かと言って、中継機能だけでは勿体無いので多機能化を進めたい。
ほら、砲台兼監視カメラの早期警戒網で蜘蛛の巣配置で通信障害を防ぐのだ。
インターネット通信網の様なスター接続が良いだろう。
この荒涼とした大盆地を征服するため設置する中継器の数は多い。
効率を考え作業を進めなければ…。
事前の計画と道具を作る時間は有った。
基本、設置は同じ動作の繰り返しなので。
理想は一度、基本動作が完成すると後は手放しだ。
蜘蛛の巣繋がりで、中継器設置専用ゴーレムを製造した。
コレは整備や、土木工事にも使える蜘蛛型巨大ゴーレムで、今まで作ったゴーレムの中で一番大きい。
塔の主砲の方が大きいが、自走すると言う意味では最大のゴーレムだ。
6本の足と2つの
外装に取付けフックが付いており、工事用小物(斧やスコップ)を胴体に引っ掛けて、蜘蛛型一台で10体程度、無理すれば20体のゴーレムが
俺の顎一本丸々使っている、ユニットコストは高く、生産サイクルは10日だ。
コレから中継器が増えれば最低20体は必要だ。
なお。武装は口とケツからビームが出せる。
ブーム先はアタッチメント式で容易に取替できる。
素早く交換できる為、作業中にも戦闘中でも
そう、コレは戦車兼、土木まっしーんなのだ。
なお、中継器よりコチラの設計に凝ったのが計画の遅れの原因だ。
ゴーレム達が俺の決めた計画に沿って作業するのを眺める。
巨大蜘蛛型ゴーレムが大地に穴を掘り。
小型ゴーレム達が底を成らして平坦にして
その後、全長18mの試作中継器を建て
基礎部から地中埋設部6mが埋められる。
転圧作業に勤しむ小型ゴーレムを眺める。
「ちょっとオーバースペックかもしれないが、将来、川に成ったりすることを考えるとこんな物だろう。」
設置が完了すると、動作試験を行う、城の仮設中継器との距離を測るのだ。
計画では、概ね10km間隔の三角点に設置されるので、自動的に、この盆地の地形図が出来上がるのだ。
評価用試作中継器の設置で、三角測量で周囲の山の稜線の距離と高さを出した。
お陰でこの盆地は南北260km東西180kmの緩やかなS字を描いている事が解った。
山の標高は塔の頂点から2000m弱。
南側の山脈が低いのと、低地の地面が傾斜して要る為に谷の出口は南にあると判断した。
しかし、雲と風は北北東から南方面へ流れてくる為、恐らく北の高い山脈で水分が遮られ、この盆地に雨をもたらしていないのだ。
「おそらく、
南にも有るであろう、海からの風はこの盆地を作る山並みに遮られている。
そして雪解け水は泥と共にやってくるが、この盆地に浸み込み川を成すのは一瞬だ。
わずかな場所とわずかな草でこの盆地の一年が終わり。
後は荒涼とした礫砂漠。
乾燥している為に、寒暖の差が大きすぎ、哺乳類にも過酷な環境だ。
「つまり、俺が作った城壁や塔より人を寄せ付けない、拒絶された過酷な環境が原因なのだ。何か対策を考えねば。」
せっかく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます