第2話 自殺少女 その1

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 私は今日、自殺する。

 ずっと毎日が辛かった。

 けどそれとも今日さよならできると考えると駅への足取りも軽くなる。


 定期を改札にかざしてホームへの階段を駆け下りる。

 次の電車は特急列車。

 こんなド田舎の駅は勿論通り過ぎる。

 きっと、飛び込んだら一発で死ねるだろう。

 スマホと電光掲示板を交互に見て、今か今かと待ち侘びる。


 ───今だ


 とんっ、とホームから跳ねる───はずだった。


 線路へ向かうはずだった死ぬはずだった身体は誰かの腕に引っ張られ、後ろの方へ倒れてしまう。


「っ……! 何してんだよお前!

危ないじゃねぇか!!」


「そっちこそ何すんのよ!死に損なったじゃないの!!」


「そんなのハイそうですかって言えるわけねぇだろ!普通見過ごせねぇよ!」


「こっちは止めてなんて頼んでないわよ!」


 主義主張のバトル。

 危うく取っ組み合いの喧嘩になりかけたが、駅員が間に入ったことで有耶無耶になった。


 もう一度ここで自殺を試みようと思ったけれど、喧嘩のせいで周りの視線が痛すぎて流石にできなかった。


 さっきの男───同じ学校の生徒だろうか、制服同じだったし。

 話したことは無いけれど、どうせアイツも私のこと嫌いだし放っておいてくれれば良かったのに。


 悪態をつきながら次の電車に乗り込む。

 改札通ってしまったことだし、しょうがないから学校地獄に行こう。


 ───どうせ今日無くなる命だ、どこで死んでも変わらないだろう。

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