第6話 体験談の5SBMA

最後は、作業がよく知っている難病のことを。

SBMA(球脊髄性筋萎縮症)というMotor Nuron Disease(運動ニューロン病)の難病です。

運動ニューロン病には、ご存知のALS(筋萎縮性側索硬化症)やSMA(脊髄性筋萎縮症)も含まれる、全身性の難病グループです。

当然ながら、原因が不明なのはもちろん、治療方法はまだありません。

運動ニューロン病は、発症してしまえば、治すことは、ほとんど不可能で、どうあがこうと、必ず寝たきりになってしまうという、厳しく悲しい現実と、どう向き合いどう闘うのかが重要になります。

主治医との付き合い方、リハビリセラピスト達との付き合い方で、良くも悪くもなる可能性があります。

SBMA(球脊髄性筋萎縮症)はまず、四肢の筋萎縮が始まり、球症状という発語や飲み込み障害まで出てしまう難病です。

SBMA(球脊髄性筋萎縮症)は、その名の通り、呼吸器の合併症に、最も注意が必要になります。

SBMA(球脊髄性筋萎縮症)が、直接の死因になった症例はなく、呼吸器の合併症が死因になる患者が多いためです。

また、SBMA(球脊髄性筋萎縮症)は、30歳代~60歳代の男性のみが発症する難病である上に、その進行が遅いので、おかしいなぁとか、動けなくても、年齢のせいにして諦める患者もいるようです。

遺伝と言えど、昔、ほんの数十年の昔、日本人男性の平均寿命が、今ほど長くなかったこともあり。

60歳代で発症したとしても、完全車椅子生活になる前に、合併症で最後を向かえてしまう方も少なからずおられたということです。

よく考えてみれば、現在でも完全車椅子生活になるまでですら約15年ということは、60歳代で発症した場合、車椅子に乗る頃には70歳代になっている。

難病でなくても、同期の年齢の方々は、どんどん旅立たれている年齢ですので、辛いのは本人よりも家族や介助する方々でしょう。

SBMA(球脊髄性筋萎縮症)の場合、重症の難病として認定されて、重度身体障害者として手帳の発行があり。場合によっては、地方自治体の福祉医療政策の保護もありますので、ある程度の生活は家族がいなくてもできるはずである。

しかし、それでも心苦しいのか、大多数の患者は辛そうです。

たぶん、精神的な辛さでしょう。

もちろん、この頃から、体調は、加速度的に悪化しますので、そちらの辛さは、はかりしれません。

ただ、この頃のSBMA(球脊髄性筋萎縮症)とALS(筋萎縮性側索硬化症)やSMA(脊髄性筋萎縮症)の違いはなくて、どの病気でも寝たきりでしょう。

下手をすれば、胃蝋や人工呼吸等も始まっているかもしれません。

ただ、SBMA(球脊髄性筋萎縮症)の場合は、悲しいかな、そこまで存命した症例はありません。

呼吸器感染症又は、誤嚥性肺炎等の疾患で、この世を去られてしまうのです。

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