再会、そして・・・
勝利だギューちゃん
第1話
同窓会
学校を卒業して、何年かしたら必ず来る通知。
文面には、「学生時代にタイムスリップできる、一時です」
お決まりの文句が書いてある。
会費は、5000円とかあるが、それで済まない。
必ず、追加料金を取られる。
まるで悪徳風俗の、たけのこはぎみたいだ。
しかし、参加者は減っていく。
何人かは、お空の上にお引っ越しをしたので、来れないのだ。
そんなわけで、今年も来た。
来なくてもいいのに・・・
僕は、引っ越しをしていないので、連絡がつきやすいのだろう。
欠席に○をして、返信したのだが、催促の電話が来た。
「今年は、来いよ。あの子も来るんだぜ」
「あの子ってだれだよ」
「あの子だよ。ほら、学園のアイドルだった」
「ああ、自称アイドルの子ね」
「そうそう。あの子・・・」
あまり、思い出したくない子だ。
確かにアイドルだった。
目立ちたがり屋で、自尊心が強い。
周りに人が、集まっている。
多分、孤独の辛さを知らない。
「会いたいだろう?」
「いや・・・でも、結婚してるんだろ?」
「いや。名前変わってないから、ひとりじゃないか?」
「離婚したんだろ?」
「いや、まだ結婚歴ないらしいぜ」
「詳しいな。会ってるのか?」
「いや。女房から聞いた」
そういや、こいつはクラスの女子と結婚したんだな。
ある意味では、特殊な例だ。
僕は、独身だが・・・
「じゃあ、出席にしておくから、必ず来いよ」
「ああ」
覚悟を決めて行くことにした。
そして、参加して、その自称アイドルと再会した。
あまり、変わっていなかった。
そう、あまり・・・
相変わらず、周りに人が出来ている。
でも・・・
時の流れは残酷だ。
すっかり、おばさんになっていた。
まあ、僕もおじさんなんだから、人の事は言えないが・・・
そして、席を立つ。
たけのこはぎをされたのではたまらない。
そして僕は、夜の町に消えた・・・
誰も気に止めないだろう。
「やはり、先に帰ったね」
1人の女性に声をかけられる・・・
この人は、確か・・・
そうだ。
クラスメイトだった・・・
「私も、興味ないんだ」
「だよね」
「じゃあ、ふたりだけでやろうか?同窓会」
「旦那がいるだろう?」
この人は、僕に電話をくれた、男子の奥さんだ。
「気にしない、気にしない。じゃあ、行こう」
「旦那に悪い」
「了承済みだよ。絶対に抜けるから、逃がすなって」
はかられた。
「じゃあ、行こう」
「どこへ?」
女性は答える。
「あなたを待つ人のところへ・・・」
再会、そして・・・ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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