第14話 決着
「む!?」
体が前に進まない。
ミドの腕は、
ロケリオンをロックして
放さなかった。
「ぐ…逃げられる!」
「2回をウマイこと
やられたかぁ、ねんだよ!」
ポラリスと鉄郎の回線が繋がる。
「お前は前の時もいたヤツ…!」
「ポラリス執行員だ!
脳ミソにこびりついて
離れないように刻み込んでやる!」
ポラリスの燃える心に応えるように、
ミドがより強いパワーで締め付ける。
関節からキシむ音が響き始める。
「ふ…思ったより高いな、
脳ミソすら残らないかもなぁ!」
「が、崖!」
2体の足が崩した土の塊が
見えない所まで滑り落ちてゆく。
「テル、限界まで目をつむってくれ!」
「む!」
ロケリオンがなんとか指に
引っ掛けて保持していた
バズーカの、引き金を、引く。
次の瞬間、地面から真っ白な光が。
2体を包み、夜の森を照らす。
「せ、閃光弾!」
「御免!」
ロケリオンが、
たじろぐミドの腕を払うと、
バランスを失ったミドが、
「お、ち、る!?」
体を前に倒すが足がずり落ちた。
「ぬむぅ!?」
腕を思い切り前に出して崖に掴まる。
「まだ、だ!」
が、引っ掛けた指がやわらかな土を
少しずつ削ってゆく。
「お、ぼ、え、て、ろぉ」
ミドは仰向けでゆっくり滑っていった。
かかとから滑り込むロケリオン。
「生かせるか!立川!」
坂を滑りおりながら
放たれたロケット砲が
放物線を描いてゆき、
その先で、小さな、青い車が、
バラバラに砕けた。
木々へ突っ込む。
ロケリオンが完全に止まった時、
鉄郎もすっかり疲れてしまって、
テルを胸に抱いて、
ふわり、と、空、を、
天井を、あお、い、だ。
「終わった…」
「あぁ!執行員が!」
ドゥーベが崖から顔を出して叫ぶ。
ザザザ…
「…生きてるよ!クソ!」
「執行員!…負けちゃいましたね!」
「ぐぅ!報酬もプライドもマシンも
全部やられた!詰みだな!」
メラクも下を覗き込んで、
「まぁ、元から有限のショーバイさ、
しょうがないよな、諦めようぜ。」
「とにかく!撤収だ!
お前らも、足で帰って来いよ!」
「ひぇえ!」
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