第12話 倍返し

ミドの背中が木々をなぎ倒す。

「メラク!」

「ええ、生きてます!

 まだ戦えそうですか!?」

「無理だ無理!命のムダ!

 さっさと脱出しとけ!」


「めーちゅー!」

「一体目…!」

「すごいです鉄郎さん!

 この調子でバシバシ

 やっちゃってください!」

ロケット砲からカラの弾倉を切り離し、

リロード。

「残り3発か…」


「ドゥーイ!立て直す!隊列B2!」

「了解!」

2体のミドが縦に並ぶ。

「しっかりカバーしろよ…」


丘に身を隠し、次のチャンスを

うかがうロケリオン。

「灯りを消した…!」

足音が近づいてくる。

「コレ結構マズくないすか?

 奇襲がきたらボコられちゃいますよ!」

「てつろうさん!マズくない!?」

「そんな時のためのコレだろう?」


「いいかドゥーイ、

 3,2,1で一気に仕掛けるからな?」

「りょうか…ん?」

「どうした?」

光がついたり消えたりしている。

「あれは敵じゃあないですか?」

「金ツバあいつ、反対側から…?」

激しく発光した!

「敵です!うぉお!」

「待て!ドゥーイ!今のは閃光ダ…」

ボッ!

3番機が体を捻じりながら倒れた。

「あぁクソ!」


「2体目…!」

「てつろうさん!すごい!」

「…ですが、

 立川に逃げられていないでしょうか?」

「そこが問題だ…

 敵が察知してから2分半ほど経ってる。」

鉄郎が息を切らしながら答えた。

「残り1体は味方の回収にまわるハズ。

 しっかりつかまっとけよ、てる。」

「おぅ!」

「え、敵の目の前を一気に駆け抜けるって

 ことですか?」

「そうだ、止めてもやるからな。」

「で、でもテツロ…

鉄郎は無線を切ると、

マスコンを全速に入れた。

「トばすぞ…」

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