第11話 仕返し

上半身に3発命中した。

メラクは引き金を引きっぱなしにして、

ロケリオンめがけて撃ち続けた。

「ぐぅっ!!」

鉄郎がレバーを倒すと、

巨体はすっぽり敵の死角に入った。


「執行員!追いますか!?」

「まて!メラク!距離があった方が有利だ!

 近くだとパワー負けしちまうぞ!」


鉄郎は暗がりのコクピットで息を整える。

「見つかっちゃいましたね!

 バズーカが誘爆したりしてません?」

ノイズのかかった声、メトキだ。

「いや、大丈夫だ、だけど、

 あの直撃を何度も喰らったら

 ひとたまりもないと思う。」

「待ち伏せに変更、って感じですね。」

「まちぶせ!ですね!」


互いが膠着したまま数十秒が流れた。

「わざわざ立川が逃げるスキをくれてるみたいだぜ。

 ドゥーイ、

 立川に早くここから離れるよう無線をいれとけ!」

「…だがなポラリス執行員、もうすぐ動きそうだぜ?」


鉄郎は標準の中央を2番機の頭にあわせた。

「今度こそ仕留める…」

人差し指を思い切りコントローラーにねじ込んだ。


「来た!」

メラクはまっすぐ向かってくる閃光をみて

すかさずミドの姿勢を傾けた。

しかし、一瞬減速したロケットの弾道は

下にずれていた。

直撃!

ボッという音とともにミドの頭は吹き飛び、

首から煙をふきだした。

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